マカオのカジノIR企業、従業員の26.6%を海外から=地元雇用の保護求める声も

マカオ政府ヒューマンリソースオフィスは5月2日、マカオに6社あるカジノIR運営企業の昨年(2014年)12月末時点の雇用状況を公表。6社の従業員総数のうち26.6%にあたる2万7847人が「外傭」と呼ばれる中国本土やフィリピン、ベトナムなど域外からの労働力であることがわかった。

マカオ経済の屋台骨ともいえるカジノ売上が昨年6月から今年3月まで10ヶ月連続で前年割れとなっている中、雇用に対する不安の声も広がっている。今年第1四半期のマカオの労働人口は40万6300人、就業人口は39万9500人。このうちカジノIR施設関連の従業員数は、ゲーミング(カジノ)業が8万4600人、ホテル業が2万6100人を占める。

マカオの政府系放送局TDMが5月2日午後のラジオニュースで報じた内容によると、マカオ立法会の呉国昌議員が「マカオ政府は6大カジノ企業の従業員数に対する「外傭」比率を20%以内に抑えるとした約束を守っておらず、一部企業では30%以上に達している」と指摘。呉議員は、政府に対して「外傭」比率の制限などのルールを設けることを促した。

これに対し、マカオ政府ヒューマンリソースオフィスの陳元童主任は、「2013年末から現在までマカオの失業率は1.7%を維持している」とした上、「今後コタイ地区に大型カジノIR施設が相次ぎ開業を予定していることから、今後数年については人材不足が続くものと予想される」と回答したという。

マカオの大型カジノIR(統合型リゾート)施設集積エリア、コタイ地区の夜景(資料)=2015年3月(写真:GCS)

マカオの大型カジノIR(統合型リゾート)施設集積エリア、コタイ地区の夜景(資料)=2015年3月(写真:GCS)

関連記事

最近の記事

  1.  澳門海關(マカオ税関)は11月22日、治安警察局及び消防局と合同でマカオの4つの陸路イミグレーシ…
  2.  マカオの主要な空の玄関口・マカオ国際空港の運営会社にあたる澳門國際機場專營股份有限公司(CAM)…
  3.  マカオ政府統計・センサス局は11月22日、昨年(2023年)のマカオの産業構造統計を公表。マカオ…
  4.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  5.  マカオ司法警察局は11月22日、違法薬物密売及び使用の疑いで香港人の女(37)を逮捕したと発表。…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  2.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  3.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  4.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun