マカオのタクシー、日本人女性客に法外な運賃要求、正規料金の20倍=当局が運転手特定し調査中

先週、マカオを訪れていた日本人女性観光客がタクシーを利用した際、運転手から正規料金の20倍にあたる法外な運賃を請求され、マカオ司法警察局に通報してたことが明らかになった。司法警察局ではすでに運転士を特定し、タクシー業を所轄する交通事務局で調査が進めてられているという。

11月28日付地元有力紙「澳門日報」が報じた。日本人女性客は、11月17日の夜11時頃、観光名所のマカオタワーからコタイ地区のホテルまでタクシーを利用した。この際、運転手がメーターを使用しなかったといい、目的地に着いた後、女性が500香港ドル紙幣1枚を出すと、それでは足りないと言われ、結局1500香港ドル(日本円換算:約2万3000円)を支払ったという。また、女性が運転手にレシートを出すよう依頼したところ、157パタカ(約2300円)と印字されたものを渡されたとのこと。

その後、女性客がこの件を現地ガイドに相談したところ、騙されていたことを知り、翌日午後6時半に司法警察局へ通報した。

司法警察局がレシートなどの資料を元に運転手を特定。運転手は1500香港ドルを受け取ったことを認めているという。また、同区間の正規料金は60〜70パタカ(約890〜1030円)程度だが、女性からレシートを出すよう求められたため、特に何も考えず157パタカのレシートを出したなどと話しているとのこと。現在、交通事務局がこの件に関して調査を継続しているという。

マカオのタクシーを巡っては、法外な料金を請求する事案のほか、乗車拒否、遠回りなど、悪質な運転手による違反行為が相次いでいる。現行の法律では、違反者に対する罰則が非常に軽く、抑止効果がないとされており、おとり捜査の導入や営業ライセンス剥奪などを盛り込んだ新法が今年中にも立法議会に正式提出される見通し。新法に関する市民へのパブリックコンサルテーションでも、厳格な取り締まりを導入することに賛成する意見が大半を占めた。

マカオ政府交通事務局は、タクシー業界からの値上げ申請を受け、12月14日にタクシー運賃の改定(値上げ)を実施することを発表したばかり。マカオ市民の間では、マカオのイメージを著しく悪化させているタクシーに対する厳しい見方が多く、新法施行前の値上げに反対を唱える声が上がっている。

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