台湾商社が福島及び周辺4県産食品を「産地偽装」して輸入=原発事故受け輸入停止中、当局が回収命じる

台湾・新竹市衛生局は3月24日、福島及び周辺4県の工場で生産された加工食品が市内のスーパーや食品雑貨店などで販売されているとの通報を受け、所轄エリアの18店舗に職員を派遣し、241品目を棚から撤去したことを明らかにした。

同局によると、台湾では2011年に発生した福島第一原子力発電所事故を受け、福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県で生産・製造された食品を一時輸入停止の対象としているためとした。

同日夜、台湾衛生福利部食品薬物管理署基隆事務所は、複数の食品商社が産地を偽装して5県産の食品を輸入したとして今月(3月)19日から21日にかけて警察部門と合同で関係先へ立ち入り検査を実施したこと発表。カップヌードル、菓子、清涼飲料、調味料など日本の大手食品メーカーの看板商品を含む283品目、重さにして合計20.4トン分を押収したという。台湾衛生福利部では、19日から日本から輸入される食品に対する水際での検査を厳格化したとしている。

なお、台湾食品商社による産地偽装の内容については、実際には福島及び周辺4県にある工場で製造された商品について、輸入書類に食品メーカーの本社所在地などが置かれた東京、大阪、兵庫など輸入停止措置対象外となる都府県名を記載していたもの。

複数の食品商社が産地を偽装して福島及び周辺4県産の食品を輸入した事件を受け台湾当局が公布した5ページに及ぶ該当283品目リストの1ページ目(台湾衛生福利部食品薬物管理署ウェブサイトより)

複数の食品商社が産地を偽装して福島及び周辺4県産の食品を輸入した事件を受け台湾当局が公布した5ページに及ぶ該当283品目リストの1ページ目(台湾衛生福利部食品薬物管理署ウェブサイトより)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ政府公共建設局(DSOP)は7月1日、マカオ半島とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マ…
  2.  澳門海關(マカオ税関)は6月30日、各イミグレーション施設で検査体制の強化を図り、違法な運搬活動…
  3.  マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は7月1日、今年(2024年)6月の月次カジノ売上(粗収益、…
  4.  マカオでヴェネチアンマカオなどの統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナは6月30日、同社…
  5.  マカオ税関(マカオ税関)は6月29日、同月22日から26日までの間にマカオと外地との主要な陸路の…

ピックアップ記事

  1.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  4.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  5.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年7月号
(vol.133)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun