ノーベル文学賞選考委員、中国本土の簡体字普及を憂慮「古典作品読めなくなる」

講演のためマカオを訪れているスウェーデンの中国文学専門家でノーベル文学賞終身選考委員のゴラン・マルムクイスト氏は4月23日、地元メディアの取材に対し、中国本土の子供たちの間で簡体字と呼ばれる簡略化された漢字が普及することに対する憂慮を示したという。

マカオの政府系放送局TDMが同日夕方のラジオニュースで報じた。マルムクイスト氏はノーベル文学賞選考委員の中で唯一中国文化と中国語に精通した人物として知られる。同氏は、中国本土で簡体字が使われていることを非常に残念に思うとし、簡体字を学んだ子供たちが繁体字(いわゆる旧字体)で書かれた古典文学作品を読むことができなくなってしまうことが心配だと語ったという。また、数十年後には簡体字が片隅に追いやられるだろうとの見方を示した。

同氏は4月25日にマカオ科学館で開催されるマカオ政府文化局主催の「中国現代文学とノーベル文学賞」と題した特別講座で講演を行う予定。

【資料】中華圏における漢字の使用状況
・中国本土:簡体字
・香港:繁体字
・マカオ:繁体字
・台湾:繁体字

マカオのカジノ入口にある注意事項。上から簡体字、繁体字、英語、ポルトガル語(資料写真)—本紙撮影

マカオのカジノ入口にある注意事項。上から簡体字、繁体字、英語、ポルトガル語(資料写真)—本紙撮影

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