中国本土富裕層の客離れ顕著、マカオの小売販売総額11%減=15年Q1、高級品振るわず

マカオのカジノ売上の大半を稼ぎ出すのがVIPカジノ部門だが、中国本土の反汚職キャンペーンやマカオ当局によるカジノ周辺の規制及び入境制限の強化などを理由に、VIPカジノの主要顧客基盤である中国本土富裕層のマカオへの渡航意欲が減退しているとされる。

マカオのカジノ売上は昨年(2014年)6月から今年4月まで11ヶ月連続で前年割れとなり、今年第1四半期累計では36.6%減の647.77億パタカ(日本円換算:約9980億円)と惨惨たる状況。また、マカオを訪れる富裕層の減少はカジノ売上のみならず、小売業にも大きなマイナス影響を与えていたことがわかった。

マカオ政府統計調査局が5月26日に公表した最新データによると、今年第1四半期の小売販売総額は昨年第4四半期比5%減、前年同期比11%減の164.1億パタカ(約2528億円)となった。前年同期比で下落が目立った品目は時計・ジュエリー(31%減)、革製品(28%減)、百貨店商品(13%減)、自動車(13%減)。小売販売総額に占める時計・ジュエリーの割合は23%。一方、スマートフォン人気を背景に通信設備は56%増、コスメティック・ヘルスケア製品は18%増だったが、高級品のマイナスをカバーするには至っていない。

マカオの日刊紙「澳門日報」は5月27日付紙面で、中国本土の反汚職キャンペーンや景気減速に伴う消費意欲の低下のほか、昨今のユーロ安、円安により、欧州、日本へ渡航する中国人富裕層が増加していることもマカオの小売業に対してマイナスに作用していると指摘。なお、マカオの法定通貨はマカオパタカで、為替は米ドルと連動している。

高級ブランドショップが並ぶ大型IR(統合型リゾート)内のショッピングモール(資料)—本紙撮影

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