香港政府、不要不急の韓国渡航自粛を呼びかけ=MERS警戒レベル引き上げ

香港特別行政区政府は6月8日午後、韓国におけるMERS(中東呼吸器症候群)の感染拡大を受け、警戒レベルを「戒備(=警告)」から「厳重(=深刻)」へ引き上げるとともに、「旅行健康アドバイス」を出した。

香港食品衛生局の高永文局長は「旅行健康アドバイス」の内容ついて、明確な脅威があるとする「赤色渡航警告」と類似したものとし、市民(特に老人及び抵抗力の弱い人)に対して、不要不急の韓国渡航を自粛するよう呼びかけた。また、近日、韓国においてMERSの3次感染者数が増加傾向にあること、これまで感染者が集中していたソウル市などから遠く離れたプサンでも感染者が見つかったことから、パンデミック状態となるリスクが高まっているとの見方を示した。

香港衛生署の陳漢儀署長によると、香港と韓国の間の1日あたり約5000人の往来があるという。今回の警戒レベルの引き上げ判断について、香港の医療システムが飽和状態に近い状態にあるためとしている。

先月(5月)26日、MERS感染疑いのある44歳の韓国人男性(同月29日に感染確定)が韓国・ソウルから香港を経由して中国広東省恵州へ渡航した事案やこの男性と同じフライトに乗り合わせた密接接触者の韓国人女性2名の香港政府による隔離を拒否した問題などもあり、香港及び近隣地域のマカオでも衛生当局が中心となって水際対策を進めている。

韓国・ソウルの繁華街、明洞(ミョンドン)地区の町並み(資料)=2010年—本紙撮影

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