MERS懸念で韓国旅行ツアー申し込み半減=中国・広東省、当局は不当廉売禁止など通達
- 2015/6/12 11:34
- 香港・大湾区
韓国におけるMERS(中東呼吸器症候群)の感染拡大を受け、香港及びマカオではすでに韓国への渡航自粛を求める勧告が出された。中国(本土)については現在も渡航警報は出されていないものの、MERSに対する懸念が広がり、近年続いた韓国旅行ブームが一気に沈静化がしている模様だ。
マカオの日刊紙「澳門日報」が6月12日付紙面で報じた内容によると、中国・広東省の旅行代理店の店頭から、韓国ツアーの宣伝パンフレットなどが次々撤去されているという。同省の大手旅行代理店、広東旅遊社の関係者は、訪韓パッケージツアー価格は大幅下落傾向で、一部では1000元(日本円換算:約2万円)の値下げも見受けられるの中、申し込み数は前年の半分程度にまで落ち込んでいるとのこと。その他の大手各社についても訪韓ツアーのキャンセル、延期、行き先変更が続いている状況で、広之旅では1000人、中国国旅広東分公司では全体の3分の2にあたる500人規模という。
また、省内の旅行業界を管轄する広東省旅遊局では、各旅行社に対して、訪韓旅客へのMERSに関するリスク提示義務、訪韓ツアーの不当廉売禁止などの通達を出したとのこと。
先月(5月)26日、MERSに感染した44歳の韓国人男性が香港を経由して中国広東省恵州市へ移動する事案が発生。感染者が現在も同省内の病院に収容されているほか、この男性と同じ空間にいたなどして密接接触者に認定された75人が省内で隔離されたことなどから、広東省は特にMERSに対する警戒意識が強い地域となっている。