カジノ低迷で税収減続くマカオ、緊縮財政入りも=警戒ライン月次平均カジノ売上3078億円、7月は2824億円以上必要

歳入のおよそ8割(2014年実績)をカジノ税収が占めるなど、カジノがマカオ経済の屋台骨となっている。カジノ税収の算出根拠となるのが、カジノ売上(グロス・ゲーミング・レベニュー)で、税率は40%に設定されている。

しかし、昨年(2014年)6月から今年(2015年)6月まで、月次カジノ売上は13ヶ月連続で前年割れという状況。今年1-5月のカジノ税収が前年同期比35.4%の大幅減となる384.5億パタカ(日本円換算:約5921億円)、財政収支はは252.8億パタカ(約3893億円)のプラスだが、黒字幅は54.9%減となっている。

マカオ政府では、昨年下半期以降の低迷を受け、今年度の月次平均カジノ売上の最低目標値(=警戒ライン)を昨年の3分の2にあたる200億パタカ(約3078億円)に設定している。今年1〜6月の累計カジノ売上は1216.45億パタカ(約1兆8723億円)となっており、月平均では辛うじて目標値を上回っている状況だ。

マカオ政府経済財政庁のライオネル・リョン(梁維特)長官は7月2日、地元メディアの囲み取材に応じた際、6月のカジノ売上が前年同月比36.2%減、前月比14.7%減の173.55億パタカ(約2672億円)となったことについて、悲観的な事前予想を覆す結果だったとした。ただし、警戒ラインを上回るためには、7月の月次カジノ売上は183.55億パタカ(約2824億円)を上回る必要があり、これをクリアできない場合は緊縮財政に入らざるを得ないとの考えを示した。

なお、過去の経験則では、夏季の旅行シーズンが始まる7月のカジノ売上は、ローシーズンにあたる6月と比較して高くなる傾向がある上、今年7月1日から中国(本土)パスポート保有者に対するマカオ滞在規制が緩和されたことなどを受け、7月の結果は楽観視できそうだ。

【資料】マカオの2015年月次カジノ売上(カッコ内は前年同月比)
・2月:237.48億パタカ=約3656億円(17.4%減)
・2月:195.42億パタカ=約3009億円(48.6%減)
・3月:214.87億パタカ=約3308億円(39.4%減)
・4月:191.67億パタカ=約2951億円(38.8%減)
・5月:203.46億パタカ=約3133億円(37.1%減)
・6月:173.55億パタカ=約2672億円(36.2%減)
>1〜6月累計:1216.45億パタカ=約1兆8723億円(37.0%減)
※データ出典:澳門博彩監察協調局

マカオの大型カジノIR(統合型リゾート)施設集積エリア、コタイ地区の夜景(資料)=2015年3月(写真:GCS)

マカオの大型カジノIR(統合型リゾート)施設集積エリア、コタイ地区の夜景(資料)=2015年3月(写真:GCS)

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