マカオ、カジノ全面禁煙化実施なら4000億円超の売上減=ドイツ銀行予測

マカオ政府は、カジノフロアの全面禁煙化を含む「喫煙予防・抑制法」改正案をまとめ、今後、立法会での審議がスタートする。

同法は2012年1月1日に施行され、室内公共場所の大部分が禁煙となった。猶予期間を経て2013年1月1日に対象がカジノフロアに拡大されたが、この際は喫煙可能ゾーンをフロア面積の半分以内とする条件付きの「分煙」だった。その後、2014年10月6日からマスゲーミングフロア(平場)が全面禁煙となり、フロア内に喫煙ルームが設置され現在に至っている。なお、VIPルームについては、現在も例外として分煙となっている。

今回の改正案では、VIPルームを禁煙化し、マスゲーミングフロアを含めた喫煙ルームの設置についても認めないとするもの。

目下、マカオのカジノ売上は昨年(2014年)6月から今年6月まで13ヶ月連続で前年割れとなっている。これに伴い、政府歳入のおよそ8割を占めるカジノ税収も大幅減が続き、今年1-5月の財政黒字は前年同期比で約55%減。こういった状況の中、全面禁煙化によりギャンブラーが競合カジノ国へ流出する可能性も指摘されており、カジノが大黒柱のマカオ経済に与えるマイナス影響が懸念されている。

マカオの月刊英字経済誌「マカオビジネス」が7月6日付電子版で報じた記事によると、大手金融機関ドイツ銀行は、マカオのカジノ完全禁煙化が来年(2016年)1月1日から実施される見通しとし、来年のマカオのカジノ売上は今年の見込みから34億米ドル(日本円換算:約4171億円)マイナスの287億米ドル(約3兆5204億円)となるとの予測を明らかにしたという。

マカオのカジノ施設のマスゲーミングフロア(平場)に設置されている喫煙ルーム(資料)=2015年5月—本紙撮影

マカオのカジノ施設のマスゲーミングフロア(平場)に設置されている喫煙ルーム(資料)=2015年5月—本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ治安警察局は11月21日、他人の身分証を使用してカジノへ入場した上、賭博で獲得した得たポイ…
  2.  冬のマカオの街を美しく彩る毎年恒例のイルミネーションイベント「ライトアップマカオ2024(中国語…
  3.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は11月21日、今年(2024年)10月の訪マカオ外客数(…
  4.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営する澳門輕…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  3.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…

注目記事

  1.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  2.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun