カジノ不振が税収直撃、マカオの今年上半期の財政黒字58%減=カジノ税が歳入の83%占める
- 2015/7/10 18:28
- 産業・経済
マカオ政府財政局は7月10日、今年(2015年)上半期の財政収支を公表。昨今のカジノ売上低迷により、歳入の大半を占めるカジノ税収が大幅に落ち込んだことを受け、財政黒字は前年同期からおよそ6割減となった。
上半期の歳入は33.9%減の551.3億パタカ(日本円換算:約8447億円)、年度(1〜12月)予算執行率は51.7%。このうち、カジノ税収は35.6%減の457.2億パタカ(約7005億円)で、達成率は53.2%。歳入に占めるカジノ税の割合は実に82.9%に達した。
一方、歳出については34.0%増の299.1億パタカ(約4583億円)に膨らんでいる。歳出のうち、投資計画充当分が25.4%増の10.2億パタカ(約156億円)と増加幅が大きかったが、年度予算執行率は7.0%にとどまっている。
なお、財政収支は252.1億パタカ(約3862億円)のプラスで、すでに通年予算を34%超過した。しかしながら、黒字幅は58.3%の大幅減となった。
マカオ全体の月次カジノ売上は、昨年6月から今年6月まで13ヶ月連続で前年割れとなっており、低迷が長期化の様相を呈している。今年1〜6月の累計カジノ売上は前年同期比37.0%減。マカオのカジノ売上減の理由として、中国本土富裕層を中心としたハイローラーと呼ばれるVIPカジノ客の流出が指摘されている。
【資料】2015年マカオの月次カジノ売上(カッコ内は前年同月比)
・1月:237.48億パタカ=約3638億円(17.4%減)
・2月:195.42億パタカ=約2994億円(48.6%減)
・3月:214.87億パタカ=約3292億円(39.4%減)
・4月:191.67億パタカ=約2937億円(38.8%減)
・5月:203.46億パタカ=約3118億円(37.1%減)
・6月:173.55億パタカ=約2659億円(36.2%減)
>1〜6月累計:1216.45億パタカ=約1兆8640億円(37.0%減)
※データ出典:澳門博彩監察協調局