マカオのカジノに大衆化の動き=スロットマシンの売上シェア拡大、VIPルーム業者は海外新興市場へ活路

マカオでカジノ不振が続いている。マカオ政府のカジノ監理部門にあたる博彩監察協調局(以下、DICJ)が7月17日に公表した今年(2015年)第2四半期のカジノ売上は前年同期比37.4%減の568.68億パタカ(日本円換算:約8841億円)で、このうちVIPルームは42%減の315.68億パタカ(約4908億円)だった。

マカオの第2四半期末時点のゲーミング(カジノ)テーブル数は新施設オープンがあったことを受け、第1四半期末から110台増の5814台、スロットマシンは同1504台増の1万4192台となっている。カジノ施設数は35。

マカオの日刊紙「澳門日報」が7月18日付紙面で報じた内容によると、マカオのVIPルーム業者の間では、年内の売上回復メドが立たないとの見方も広がっているとされ、一部にフィリピンやベトナムといった新興カジノ国市場に活路を求める企業も出てきているという。また、専門家は、カジノ売上全体に占めるVIPルームの割合が55.5%と過去最低水準となった一方、スロットマシンの台数増に伴い、スロットマシンの売上シェアが5.2%に達したことから、マカオのカジノに大衆化の動きが見受けられるとした。

DICJの統計資料によると、今年上半期(1〜6月)の累計カジノ売上は前年同期比37%減の1216.45億パタカ(約1兆8911億円)で、このうちVIPルームが42%減の692.39億パタカ(約1兆764億円)を占める。カジノ売上に競馬、ドッグレース、スポーツくじなどを加えた総ギャンブル売上は1221.48億パタカ(約1兆8989億円)となった。

マカオの大型カジノIR(統合型リゾート)施設集積エリア、コタイ地区の夜景(資料)=2015年3月(写真:GCS)

マカオの大型カジノIR(統合型リゾート)施設集積エリア、コタイ地区の夜景(資料)=2015年3月(写真:GCS)

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ政府衛生局(SSM)は11月22日夜、同日マカオ域内で輸入性デング熱感染を新たに1例確認し…
  2.  マカオ治安警察局は11月21日、他人の身分証を使用してカジノへ入場した上、賭博で獲得した得たポイ…
  3.  冬のマカオの街を美しく彩る毎年恒例のイルミネーションイベント「ライトアップマカオ2024(中国語…
  4.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は11月21日、今年(2024年)10月の訪マカオ外客数(…
  5.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…

ピックアップ記事

  1.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  2.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  3.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  2.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun