マカオ政府財政局は8月17日、今年(2015年)1〜7月累計の財政収支を公表。昨今のカジノ売上低迷により、歳入の大半を占めるカジノ税収が大幅に落ち込んだことを受け、財政黒字は前年同期からおよそ6割減となった。
1〜7月の累計で、歳入は前年同期比32.5%減の644.89億パタカ(日本円換算:約1兆42億円)、年度(1〜12月)予算執行率は60.4%。このうち、カジノ税収は35.7%減の519.35億パタカ(約8087億円)で、達成率は60.5%。歳入に占めるカジノ税の割合は実に80.5%に達した。
一方、歳出については27.0%増の373.04億パタカ(約5809億円)に膨らんでいる。歳出のうち、投資計画充当分が53.3%増の15.11億パタカ(約235億円)と増加幅が大きかったが、年度予算執行率は10.3%にとどまっている。
なお、財政収支は271.85億パタカ(約4233億円)のプラスだが、黒字幅は59.1%の大幅減となった。しかしながら、すでに通年予算を44.6%超過している。
マカオ全体の月次カジノ売上は、昨年6月から今年7月まで14ヶ月連続で前年割れとなっており、低迷が長期化の様相を呈している。今年1〜7月の累計カジノ売上は36.7%減の1402.59億パタカ(約2兆1842億円)。マカオのカジノ売上減の理由として、中国本土富裕層を中心としたハイローラーと呼ばれるVIPカジノ客の流出が指摘されている。