マカオ、11歳女子児童がブルセラ症に感染=25年来初、感染源調査中

マカオ政府衛生局は9月1日夜、地元マカオの11歳の女子児童がブルセラ症(波状熱)に感染していたことが確定したことを明らかにした。記録の残る過去25年来で初めての感染例という。

ブルセラ症はグラム陰性球桿菌を病原体とするウシ、イヌ、ブタ、ヤギ、ヒツジといった動物からヒトに伝播する人獣共通感染症のひとつ。感染動物との濃厚な接触や、未殺菌の乳製品の摂取によって引き起こされるといい、地中海、東アフリカ、中南米、中東などで感染令が多く見受けられるという。潜伏期間は5〜60日で、感染初期は風邪に似た症状だが、脳膜炎や脳炎を伴う重症化により死に至ることもあり、治療には抗生物質を用いるとのこと。

マカオでブルセラ症感染が確定した女子児童は、8月10日に発熱、上唇潰瘍、発疹、12日になって左肘関節痛の症状が相次いで現れたという。その後も症状が改善せず、同月19日に仁伯爵綜合医院の救急外来を受診し、入院治療を行ってきた。なお、すでに容体が回復して退院しており、合併症なども見受けられないとのこと。

女子児童は潜伏期間にあたる過去2ヶ月の大半をマカオで過ごしていたといい、8月9日に香港の体育館で行われたイベントへ出かけたことを除き、公園や郊外へ出かけたこともなかったという。未殺菌乳製品や、生の肉類を摂取歴もない。自宅でイヌを飼っておらず、隣家が飼っているイヌについても特に異常は認められなかった。マカオ政府衛生局では、感染源、感染ルートの特定に向けた調査を進めているとしている。

マカオの仁伯爵綜合医院(資料)—本紙撮影

マカオの仁伯爵綜合医院(資料)—本紙撮影

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