新IR開幕効果も期待薄、マカオのカジノ売上低迷さらに長期化=ドイツ銀見通し

マカオのカジノ売上が昨年(2014年)6月から今年8月まで15ヶ月連続で前年割れを記録、今年1〜8月の累計でも前年同月比36.5%減の1588.82億パタカ(日本円換算:約2兆3958億円)となっている。

マカオでは、いつ低迷を脱するのかに注目が集まっており、カジノ売上底上げの起爆剤としてコタイ地区を中心に複数の建設計画が進む大型IR(統合型リゾート)への期待も高い。開幕日を今年10月27日と発表済みのスタジオ・シティを含め、2017年までに5つの新IRが相次ぎオープンを予定している。

一方で、新規IR開幕に伴う底上げ効果への期待に対する懐疑的な見方もあるようだ。マカオの月刊英字経済誌マカオビジネスが9月3日付電子版で報じた記事によると、投資銀行大手のドイツ銀行はスタジオ・シティ開幕直後にあたる来年(2016年)第1四半期のマカオのカジノ売上について、前年同期比で一層縮小するとの見通しを示したという。

具体的には「10月末のスタジオ・シティ開幕による需要増は限定的、また市場に不測の好転がないとの想定において、2016年第1四半期のマカオのカジノ売上は前年同期比で少なくとも10%台後半の下落となるはずで、2016年にもカジノ売上が回復するという期待を持つことは現実的ではない」とのこと。

今年(2015年)10月27日開幕予定の大型IR(統合型リゾート)スタジオ・シティ(資料)=マカオ・コタイ地区、2015年8月—本紙撮影

今年(2015年)10月27日開幕予定の大型IR(統合型リゾート)スタジオ・シティ(資料)=マカオ・コタイ地区、2015年8月—本紙撮影

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