香港の国慶節花火大会「旧日本軍による空襲」演出取りやめ=抗日から平和へテーマ変更
- 2015/9/15 20:54
- 澳日関係
香港では、中国の建国記念日にあたる10月1日の国慶節の夜にヴィクトリアハーバーで政府主催の花火大会が開催されるのが恒例となっている。今年(2015年)は中国の主張する抗日戦争勝利70周年にあたることから、建国66周年に加え、抗日要素が盛り込まれる採用されることが発表されていた。
主催者側が9月10日に開催した概要説明会の内容によると、全9幕、計23分30分間で、2万2888発の花火が打ち上げられるという。このうち、36秒間の第4幕が「抗(日)戦(争)勝利70周年」をテーマにしたもので、「空襲警報をイメージしたサイレンを鳴らし、単色閃光花火で(旧)日本軍の飛行機による弾丸の雨を表現する」と解説していた。
香港の日刊紙アップルデイリーが9月15日午後の電子版で報じた記事によると、この「抗戦勝利70周年」に関する演出について、市民の間から異論が出ていたという。結果、花火大会のメインスポンサーとなるCTエンバイロンメンタル社は同日、「方面から意見をヒアリングした結果、第4幕のテーマを「抗日」から「平和」に改めることを決定し、花火技術チームを代表して市民にお詫びするとのコメントを発表したとのこと。空襲警報のサイレンはラブ・ミュージックに変更されるという。
香港は伝統的に親日・知日の市民が多いことで知られる。香港から日本を訪れる旅客数、日本産農産・海産物の香港への輸出も増加傾向にあるなど、世界的に見ても日本との間で相互交流が最も盛んな地域のひとつに数えられる。なお、第二次世界大戦期において、英国の植民地だった香港は旧日本軍による3年8ヶ月間の占領期を経験している。