香港で日本の牛丼チェーン「吉野家」をフランチャイズ展開する香港吉野家は10月12日、フェイスブック公式ページ上で「香港の全店舗において福島県産の米を一切使用していない」とする声明を発表した。
香港の日刊紙アップルデイリーが同日午後に電子版で報じた記事によると、スマートフォン向けSNSアプリ上で「香港吉野家が福島の農業再生のため福島県産の米を使用している」などとする情報が出回っていた件への反論だったとのこと。なお、香港吉野家では、この件について「悪意のある中傷だ」として警察に通報したという。
香港吉野家が声明に合わせて公表した資料の中で、実際に使用している米は中国・黒龍江省の黒土土壌で栽培した「日式珍珠米」、牛肉は米国産であるとし、すべての食材について厳格な品質管理を行っていると強調した。
香港吉野家の店舗数は50以上あり、定番の牛丼(香港では「和風牛肉飯」)のほか、香港独自メニューも数多く提供している。
香港当局は2011年に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故を受け、福島、茨城、栃木、群馬、千葉の各県産の野菜、果物、牛乳、乳飲料、粉乳の輸入禁止、その他の品目についても放射線検査の実施を要求するなどの規制措置を講じている。