香港、回収進むエリザベス女王の肖像入り硬貨=消えゆく英国統治時代の名残
- 2015/10/13 12:56
- 香港・大湾区
つい先日、香港の英国統治時代に設置された旧型の郵便ポストから王冠マークやロイヤル・サイファと呼ばれる王の紋章が施された部分が削除されることが決まったとのニュースを報じたが、かつて広く普及していたエリザベス女王(エリザベス2世)の肖像が使用された旧デザイン硬貨についても当局による回収が進んでいるという。
現行の香港の硬貨は10セント、20セント、50セント、1ドル、2ドル、5ドル、10ドルの7種類あるが、1993年に表面の図案がエリザベス女王の肖像からバウヒニアの花へ変更となった(1994年に登場した10ドル硬貨を除く)。バウヒニアは1997年の英国から中国への返還にあたり、香港特別行政区の区旗にも採用されることになる香港のシンボル。
香港金融管理当局では、デザイン切替を実施した1993年から旧デザインの硬貨の回収及び溶解処理を進めているという。香港の日刊紙アップルデイリーが10月12日夜に電子版で報じた記事によると、1997年の香港返還時の流通枚数は旧デザイン硬貨が21.7億枚、新デザイン硬貨が15.4億枚だったというが、旧デザイン硬貨の回収開始から20年以上を経た現在では、日常生活の中で旧デザイン硬貨を手にする機会は稀なケースとなっている。
昨今、旧デザイン硬貨は古銭マーケットで額面以上の価格で取引されることもあるといい、記念に手元で保存しようとする人も増えている多いとのこと。香港を訪れる機会があれば、お釣りなどで小銭を受け取る際にデザインをチェックしてみたい。
なお、記者が香港ドルの小銭入れをチェックしてみたところ、写真の20セントと10セントの旧デザイン硬貨を1枚ずつ見つけることができた。
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■「香港郵政、ポストの王冠マーク削除へ=消えゆく英国統治時代の名残」(2015年10月6日)