マカオの観光物価指数13年ぶりマイナス、ホテル価格下落で=15年第3四半期

海外(中国本土、香港、台湾含む)からマカオを訪れた旅客がマカオにおいて購入した商品及びサービスの価格変動を反映する「観光物価指数」について、今年(2015年)第3四半期(7〜9月)は前年同期比2.72%下落の131.46となり、2002年第3四半期以来13年ぶりのマイナスを記録した。

マカオ政府統計調査局が10月14日に公表した統計データによると、前年同期比で指数の変動が最も顕著だったジャンルは下落が「宿泊」(-10.88%)と「衣類・履物」(-6.96%)、上昇が「食品・たばこ」(+5.87%)、「交通・通信」(+3.94%)、「娯楽・文化活動」(+3.14%)となっている。

今年第3四半期の観光物価指数は今年第2四半期との比較でも2.34%の下落となっている。下落が目立ったジャンルはこちらも「衣類・履物」(-6.78%)」と「宿泊」(-5.28%)となった。

今年に入って以降、新ホテル開業が相次いだことにより、今年8月時点の供給客室数が前年から7.2%増えた。一方、昨年(2014年)通年で過去最高を記録した訪マカオ旅客数だが、今年に入って以降は減少傾向にあり、8月までの累計は3.2%減の2043.8万人にとどまっている。こうした需給バランスの変化に対応し、大型ホテルを中心に今年夏休みシーズン前から低価格プロモーションによる集客策を打ち出しており、観光物価指数に影響を与えたようだ。

なお、マカオの各ホテルが打ち出した低価格プロモーションは宿泊需要を喚起する効果があったとみられ、夏休みシーズン以降の客室稼働率は供給増分を消化する高レートで推移している。

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ司法警察局は9月5日、マカオで無資格にも関わらず薬剤の注射による美容医療行為に従事したとし…
  2.  マカオ政府統計・センサス局は9月6日、今年(2024年)5〜7月期の住宅価格指数を公表。 …
  3.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  4.  マカオの多くのカジノ施設が航空会社のマイレージ制度と似た会員プログラムを提供しており、入会するこ…
  5.  マカオ司法警察局は9月5日、マカオの高齢者を狙った特殊詐欺(電話詐欺)事案に関与したとして20代…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  5.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  3.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  4.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年9月号
(vol.135)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun