マカオ、1〜9月累計カジノ税収35.5%減の約9726億円=財政黒字確保も大幅縮小

マカオ政府財政局は10月16日、今年(2015年)1〜9月累計の財政収支を公表。昨今のカジノ売上低迷により、歳入の大半を占めるカジノ税収が大幅に落ち込んだことを受け、財政黒字は前年同期から61.4%の大幅減となった。

1〜9月の累計で、歳入は前年同期比32.2%減の820.51億パタカ(日本円換算:約1兆2230億円)、年度(1〜12月)予算執行率は76.9%。このうち、カジノ税収は35.5%減の652.48億パタカ(約9726億円)で、予算執行率は76.0%。歳入に占めるカジノ税の割合は実に79.5%に達している。

一方、歳出については25.2%増の510.87億パタカ(約7616億円)に膨らんでいる。歳出のうち、投資計画充当分が49.3%増の24.94億パタカ(約372億円)と増加幅が大きかったが、予算執行率は17.0%にとどまっている。

財政収支は309.65億パタカ(約4616億円)のプラスだが、黒字幅は61.4%の大幅減となった。ただし、予算執行率はすでに164.7%となっている。

マカオ全体の月次カジノ売上は、昨年6月から今年9月まで16ヶ月連続で前年割れとなっており、低迷が長期化の様相を呈している。今年1〜9月の累計カジノ売上は36.2%減の1760.15億パタカ(約2兆6240億円)。マカオ政府が今年度財政予算で掲げた月次平均カジノ売上は200億パタカ(約2982億円)だが、8月の実績でこれを下回ったことから、9月1日から緊縮財政措置が講じられている。

マカオのカジノ売上減の理由として、中国本土富裕層を中心としたハイローラーと呼ばれるVIPカジノ客の流出が指摘されている。

マカオの大型IR(統合型リゾート)集積エリア、コタイ地区の夜景(資料)=2015年3月(写真:GCS)

マカオの大型IR(統合型リゾート)集積エリア、コタイ地区の夜景(資料)=2015年3月(写真:GCS)

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ政府衛生局(SSM)は11月22日夜、同日マカオ域内で輸入性デング熱感染を新たに1例確認し…
  2.  マカオ治安警察局は11月21日、他人の身分証を使用してカジノへ入場した上、賭博で獲得した得たポイ…
  3.  冬のマカオの街を美しく彩る毎年恒例のイルミネーションイベント「ライトアップマカオ2024(中国語…
  4.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は11月21日、今年(2024年)10月の訪マカオ外客数(…
  5.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…

ピックアップ記事

  1.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  4.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun