低迷続くマカオのカジノ売上に下げ止まりの兆し=マカオ経済財政庁長官見通し
- 2015/10/22 12:41
- カジノ・IR
米ラスベガスのおよそ6倍のカジノ売上を誇る世界一のカジノ都市マカオだが、月次カジノ売上が昨年(2014年)6月から今年9月まで16ヶ月連続となり、低迷が長期化している。
マカオの年間カジノ売上は2002年のカジノ経営ライセンスの対外開放をきっかけに急速に拡大を続けてきたが、昨年は21世紀に入って初めてとなる前年割れを記録。今年1〜9月の累計カジノ売上についても、前年同期比36.2%減の1760.15億パタカ(日本円換算:約2兆6401億円)にとどまっている。目下、いつ下げ止まるのかに大きな関心が集まっている状況だ。
今年のマカオの月次カジノ売上の推移は下記の通りとなっている。(カッコ内は前年同月比)
・1月:237.48億パタカ=約3562億円(17.4%減)
・2月:195.42億パタカ=約2931億円(48.6%減)
・3月:214.87億パタカ=約3223億円(39.4%減)
・4月:191.67億パタカ=約2875億円(38.8%減)
・5月:203.46億パタカ=約3052億円(37.1%減)
・6月:173.55億パタカ=約2603億円(36.2%減)
・7月:186.15億パタカ=約2793億円(34.6%減)
・8月:186.23億パタカ=約2794億円(35.5%減)
・9月:171.33億パタカ=約2570億円(33.0%減)
マカオ政府経済財政庁のライオネル・リョン(梁維特)長官は10月21日、直近の10月のカジノ売上の見通しについてコメントしている。リョン長官によると、(中国本土の大型連休にあたる)国慶節期間中のカジノ売上は前年同期比2割前後の下落にとどまったとし、月間でも直近数ヶ月内で最も前年からのマイナス幅が小さくなるだろうとした。
なお、マカオ政府は今年度(1〜12月)財政予算で月次平均カジノ売上を200億パタカ(約3000億円)としているが、8月終了時点でこれ下回ったことから、9月1日から緊縮財政措置がスタートしている。リョン長官は21日の会見で、今後3ヶ月以内に一層の引き締めを行う予定がないことも同時に示した。