香港で空港アクセス大混乱、唯一の陸路ルート2時間通行止め=海上橋に船衝突で要検査
- 2015/10/24 11:14
- 香港・大湾区
年間旅客数約6300万人を誇る香港国際空港は、アジアを代表するハブ空港として知られ、地方都市を含む日本各地との間を結ぶ路線も数多く就航している。
かつて香港国際空港は市街地の九龍・啓徳(カイタック)にあったが、1998年に離島にあたる大嶼山(ランタオ島)に移転している。
香港の市街地とランタオ島の間は、海上橋で結ばれており、これが唯一の陸上ルートとなる。海上橋は市街地に近い方から順に青馬大橋(吊り橋)と汲水門橋(斜張橋)の2つで構成されており、いずれも上層部が高速道路、下層部が鉄道。香港市街地と空港の間を結ぶエアポートバスやタクシー、エアポートエクスプレスは必ずこのルートを通る。
10月23日夜、この大動脈が通行止めになるというアクシデントが発生した。マカオの政府系放送局TDMが同日深夜にラジオニュースで報じた内容によると、香港運輸署によると、海上を航行していた船が汲水門橋の一部に接触したことにより防振警報装置が作動したため、道路及び鉄道をすべて封鎖して緊急検査を実施する必要が生じたためとしている。その後、異常がなかったことが確認されたことから、約2時間後に封鎖解除となった。
通行止めを受け、フライト時間が迫る中、右往左往する旅客の姿が目立ったという。一部の旅客は香港島の中環(セントラル)とランタオ島の住宅地にあたる愉景灣(ディスカバリー・ベイ)などを結ぶ定期船を使って島に入り、そこからバスやタクシーで空港に向かうという迂回ルートを選択したとのこと。通常、セントラルから空港まで、エアポートエクスプレスで30分以内でアクセスできるが、迂回ルートでは乗り継ぎなどもあり1時間半程度を要する。
今回のアクシデントにより、離島に位置する香港国際空港の地理的弱点があらためて露呈したことで、迂回ルートの整備が急務となりそうだ。