カジノ低迷続くマカオ、失業率1%台維持=今年7〜9月期、平均月給も上昇

マカオ政府統計調査局が10月28日に発表した雇用統計によると、今年(2015年)7〜9月期の総体失業率は1.9%となり、前回調査(6〜8月期)と同水準を維持した。不完全雇用率は前回から0.1ポイント上昇の0.5%。

マカオの失業率は今年2〜4月期まで史上最良水準の1.7%を16期連続で維持した後、3〜5月期から5〜6月期まで3期連続で1.8%、6〜8月に1.9%に後退していた。

今年7〜9月期の労働人口は40.25万人、労働参加率は73.2%。このうち、就業人口は39.49万人で前回調査時から200人減少。

失業人口は前回調査から100人増となる7600人。このうち、初めて職探しをする新増労働力の占める割合は3.1ポイント下落の14.6%。

就業者数の増減が目立った業種として、一部大型IR(統合型リゾート)の建設工事が完成に近づいたことで建設業従事者が4600人減の5.29万人、新ホテルの開業に伴いホテル業従事者が1100人増の2.95万人が挙げられる。

今年7〜9月の平均月給(賞与等除く)は1万5000パタカ(日本円換算:約22.6万円)で、6〜8月期から横ばい。このうち、カジノ(ゲーミング)及びカジノ仲介人業では1万9000パタカ(約28.6万円)で、平均を大きく上回った。また、マカオ居民(マカオ居留権保有者)に限ると1万8000パタカ(約27.1万円)で6〜8月期から500パタカ(約7500円)増となった。

目下、マカオ経済の屋台骨ともいえるカジノ売上が昨年6月から今年9月まで16ヶ月連続前年割れ、今年に入って以降の累計カジノ売上が前年比3割減となる中だが、カジノ運営各社は大型IR(統合型リゾート)の開幕ラッシュを控え、雇用に対して積極的な姿勢を堅持しており、失業率、平均月給の数字に目立ったマイナス影響は見受けられない。

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

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