マカオ、路線バス運転士の高齢化進む=今後10年間で約半数が定年迎える

現在、マカオには大量輸送を可能にする軌道系交通機関が存在せず、市民や観光客にとって重要な移動手段となるのが路線バスだ。マカオにおける路線バス利用者数は近年右肩上がりに上昇を続け、昨年(2014年)には1日あたり50万人(のべ)に達したという。マカオの人口はおよそ64万人、訪マカオ旅客数は年間約3000万人であることから、路線バス依存度の高さが伺える。

10月29日、マカオ交通諮問委員会は路線バスを運営する3事業者の関係者を招き、路線バスサービスに関する問題を討議する作業会議を開催。バス事業者からは、乗客の急増、渋滞による運行速度の低下、運転士の不足といった困難に直面していることが紹介された。

マカオの路線バス(資料)=プラサ・フェレイラ・アマラル・バスターミナルにて本紙撮影

マカオの路線バス(資料)=プラサ・フェレイラ・アマラル・バスターミナルにて本紙撮影

あるバス会社の報告よると、特に運転士の高齢化が進んでおり、今後10年間で全体のおよそ5割に相当する100人超が定年年齢の65歳に達するとのこと。委員からは定年の延長の是非や、どのような人材獲得策を打ち出すべきかについて意見が出されたものの、会議中に方向性はまとめるには至らなかったという。

目下、マカオの公共交通問題解決の切り札として新交通システム(マカオLRT)の建設プロジェクトが進んでいるが、工事の遅延により開業は数年先の予定となっている。マカオLRTは国際入札を経て日本の三菱重工と伊藤忠商事の共同体が駅舎と土木工事を除くLRTシステム一式を受注しており、東京の「ゆりかもめ」と同タイプの日本製車輌った自動運転(無人運転)が予定されている。

路線バスサービス問題についての討議が行われたマカオ交通諮問委員会作業会議=10月29日(写真:GCS)

路線バスサービス問題についての討議が行われたマカオ交通諮問委員会作業会議=10月29日(写真:GCS)

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