マカオの財政黒字6割縮小、カジノ税収大幅減響く=1〜10月期

マカオ政府財政局は11月16日、今年(2015年)1〜10月累計の財政収支を公表。昨今のカジノ売上低迷により、歳入の大半を占めるカジノ税収が大幅に落ち込んだことを受け、財政黒字は前年同期から59.7%の大幅減となった。

1〜10月の累計で、歳入は前年同期比31.2%減の909.94億パタカ(日本円換算:約1兆3954億円)、年度(1〜12月)予算執行率は85.3%。このうち、カジノ税収は35.3%減の713.78億パタカ(約1兆946億円)で、予算執行率は83.1%。歳入に占めるカジノ税の割合は実に78.4%に達している。

一方、歳出については21.5%増の564.11億パタカ(約8651億円)に膨らんでいる。歳出のうち、投資計画充当分が46.6%増の30.82億パタカ(約473億円)と増加幅が大きかったが、予算執行率は21.0%にとどまっている。

財政収支は345.83億パタカ(約5303億円)のプラスだが、黒字幅は59.7%の大幅減となった。ただし、予算執行率はすでに183.9%となっている。

マカオ全体の月次カジノ売上は、昨年6月から今年10月まで17ヶ月連続で前年割れとなっており、低迷が長期化の様相を呈している。今年1〜10月の累計カジノ売上は35.5%減の1960.74億パタカ(約3兆68億円)。マカオ政府が今年度財政予算で掲げた月次平均カジノ売上は200億パタカ(約3067億円)だが、8月終了時点でこれを下回ったことから、9月1日から緊縮財政措置が講じられている。

マカオのカジノ売上減の理由として、中国本土富裕層を中心としたハイローラーと呼ばれるVIPカジノ客の流出が指摘されている。

マカオの大型IR(統合型リゾート)集積エリア、コタイ地区の夜景(資料)=2015年3月(写真:GCS)

マカオの大型IR(統合型リゾート)集積エリア、コタイ地区の夜景(資料)=2015年3月(写真:GCS)

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