火災事故発生のマカオ科学館、一般公開再開時期未定=館内見学客ら300人無事避難

11月20日午後2時15分頃、マカオ・新口岸地区の沿岸部に建つマカオ科学館(マカオ・サイエンス・ミュージアム)のエキジビションセンター頂部付近で火災事故が発生。

消防当局によると、同局では同2時18分にマカオ科学館側から火災発生の通報を受け、はしご車3台などを出動させ、4分後に現場に到着、午後5時47分に鎮火を確認したとのこと。事故当時館内にいた見学客、スタッフらおよそ300人は無事に避難し、負傷者はいないという。

マカオ科学館は5年に1度実施する外装メンテナンス工事中だったといい、出火の原因は溶接作業時に発生した火花が周囲にあったゴミに燃え移ったためとみられる。

マカオ科学館。今回火災が発生したのは非対称円錐形のエキジビションセンターの頂部付近(資料)—本紙撮影

マカオ科学館。今回火災が発生したのは非対称円錐形のエキジビションセンターの頂部付近(資料)—本紙撮影

マカオ科学館は同日午後9時過ぎに緊急プレスリリースを発表。現在、火災による館内街施設及び展示物に対する被害状況の確認など行っているという。また、見学客の安全を確保するため、今後しばらくの間、エキジビションセンター及びプラネタリウムの一般公開を中止する方針を明らかにした。再開時期は未定。なお、併設のコンベンションセンター、ロビーエキジビションホール、ロビーに位置する飲食施設などの一部については通常オープンを継続するとのこと。

マカオ科学館はマカオのポルトガルから中国への返還10周年記念事業のひとつとして2009年に開館。今回火災が発生した近未来的な非対称円錐形のエキジビションセンター棟だが、オープン以来、マカオの新しいアイコンとして市民や観光客に親しまれている存在。設計を手がけたのは著名な中国系アメリカ人建築家のイオ・ミン・ペイ氏が率いるペイ建築事務所。

マカオでは、11月19日から22日までが第62回マカオグランプリの開催期間中にあたる。サーキットはマカオ科学館から至近距離に位置しているが、レースに影響は及んでおらず、予定通り開催されている。

写真中央付近のマカオ科学館から煙が立ち上る=マカオ地球物理気象局(SMG)の定点観測カメラ映像(20日15時現在)より

写真中央付近のマカオ科学館から煙が立ち上る=マカオ地球物理気象局(SMG)の定点観測カメラ映像(20日15時現在)より

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