マカオ隣接の珠海と北京結ぶ直通夜行新幹線、前倒しで実現=11月28日から、桂林との昼行列車も

中国・広東省の国営鉄道会社、広州鉄路集団は11月23日、中国・広東省・珠海市の珠海駅と北京市の北京西駅、桂林市の桂林北駅を結ぶ直通高速列車を11月28日から運行することを発表した。すでに23日午後3時から切符の予約販売もスタートしている。

今月上旬、国鉄にあたる中国鉄路が来年(2016年)1月10日からの運行開始との見通しを示していたが、前倒しで実現することになったようだ。

珠海と北京、桂林の間の高速鉄道(中国版新幹線)の線路そのものはつながっているが、これまでは華南地区の新幹線ターミナルとなる広州市の広州南駅で一旦下車して別の列車に乗り換える必要があった。広州南駅と珠海駅を結ぶ高速インターシティ路線の広珠城際鉄路は2012年12月末に全線開業しているが、今回、初めて他路線との直通が実現することになる。

広州鉄路集団の発表によると、11月28日から従来まで北京西駅、桂林駅と広州南駅の間を結んでいたD923/4列車、D2367/8列車について、それぞれ広珠城際鉄路への乗り入れを通じて珠海駅まで延長する。

珠海駅から北京西駅へに向かう列車は毎週金・土・日・月曜日の週4日運行で、珠海駅を午後7時9分に出発し、北京西駅には翌日午前6時51分に到着するという夜行型。鹿児島中央駅から札幌駅とほぼ同じ距離に相当する2414キロを11時間42分で結ぶ。使用される列車は16両編成で、定員は630人。全区間の料金はB寝台にあたる硬臥の上段が999元(日本円換算:約1万9200円)、下段が1190元(約2万2900円)、2等座席が779元(約1万5000円)。

珠海駅と桂林駅を結ぶ列車は毎日運行で、珠海を午前8時50分に出発し、桂林北駅には12時52分に到着する昼行型。東京駅から新大阪駅とほぼ同じ距離に相当する562キロを4時間2分で結ぶ。使用される列車は16両編成で、定員は860人。全区間の料金は2等車利用の場合で207.5元(約4000円)。

珠海駅はマカオとの玄関口にあたる拱北イミグレーション施設に隣接して建つことから、鉄道による中国本土各都市とのアクセス向上に対する期待も高い。拱北とマカオ側の關閘イミグレーションの間は徒歩で往来可能な陸路のボーダーとして知られる。

珠海駅に停車中の中国版新幹線「和諧号」CRH1型車輌。珠海駅と広州南駅の間をおよそ1時間で結ぶ(資料)=2013年6月ー本紙撮影

珠海駅に停車中の中国版新幹線「和諧号」CRH1型車輌。珠海駅と広州南駅の間をおよそ1時間で結ぶ(資料)=2013年6月ー本紙撮影


マカオ側(紀念孫中山市政公園)から見た珠海駅(資料)=2013年3月ー本紙撮影

マカオ側(紀念孫中山市政公園)から見た珠海駅(資料)=2013年3月ー本紙撮影


中国各地との間を結ぶ高速列車が発着する広州南駅(資料)=2013年7月—本紙撮影

中国各地との間を結ぶ高速列車が発着する広州南駅(資料)=2013年7月—本紙撮影

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