マカオ、ギャンブル目当ての旅客は全体の4分の1=観光・レジャー要素の拡充進む

マカオは人口64万人、面積30平方キロ(山手線の内側の約半分と同じ)という小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリなどの国際イベントも数多く開催され、年間3千万人以上の旅客を吸引するアジア有数の観光都市として知られる。

とはいえ、マカオといえばやはりカジノというイメージは強い。実際、35ものカジノ施設が軒を連ね、カジノ売上規模は米国ラスベガスを遥かに上回る世界一だ。マカオを訪れる旅客のうち、一体どのくらいの人たちが実際にギャンブルに興じているのだろうか。

マカオの公立観光専門学校IFTがこのほど公表した訪マカオ外客調査によると、マカオ滞在中にギャンブルをすると回答した人の割合は全体のおよそ4分の1だったという。また、ギャンブルをすると回答した人の賭け金については、38%が1000パタカ(日本円換算:約1万5000円)以下だったとのこと。

なお、マカオ滞在中のメインアトラクションは何かという調査項目では、中国本土からの旅客がショッピング、香港からの旅客が飲食、台湾からの旅客が名所旧跡を好む傾向が見受けられたとという。ギャンブル目当ては非主流のようだ。

昨今、マカオでは官民一体となってカジノ依存からの脱却を図り、ツーリズム・レジャーを核とした幅広い層が楽しめる滞在型リゾートデスティネーションを目指す動きが顕著に見受けられる。例えば、マカオのIR施設に占めるゲーミング(カジノ)要素の割合は、従来型施設では3分の2にも達したが、今年開業したもの、現在開発中の施設ではいずれも1割となっている。

マカオを代表する観光名所の1つ、世界遺産・聖ポール天主堂跡(資料)—本紙撮影

マカオを代表する観光名所の1つ、世界遺産・聖ポール天主堂跡(資料)—本紙撮影


IR運営会社もノンゲーミング(非カジノ)要素の拡充を図る。写真はギャラクシーマカオの大型プール施設「グランドリゾートデッキ」(資料)—本紙撮影

IR運営会社もノンゲーミング(非カジノ)要素の拡充を図る。写真はギャラクシーマカオの大型プール施設「グランドリゾートデッキ」(資料)—本紙撮影

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