カジノ低迷長期化で受講者減=マカオの公立ディーラー養成学校

世界最大のカジノ売上を誇る都市として知られるマカオ。面積30平方キロ、人口64万人という小さな街に大小36のカジノ施設が建ち並び、就業人口の8人に1人がカジノ及びカジノ仲介業に従事する。

目下、マカオのカジノ売上は2014年6月から2015年12月まで19ヶ月連続で前年割れ、2015年の通期でも前年比3割を超えるマイナスとなるなど、低迷が長期化、深刻化の様相を呈している。

マカオの公立ゲーミング(カジノ)専門教育研究機関、マカオ理工学院ゲーミングティーチング&リサーチセンターは1月23日、学校説明会を開催した。マカオの政府系放送局TDMが同日昼のラジオニュースで報じた内容によると、李向玉院長が同局の取材に対し、マカオのカジノ市場が(かつての急速な発展と比較して)安定期に入ったことから、短期職業訓練講座の受講者が減少していることを明かしたとのこと。

同センターはマカオでカジノディーラー養成講座を提供する唯一の機関。受講対象者はマカオ市民(マカオ居留権保有者)のみで、受講料は無料。マカオの法律では、マカオ市民のみがカジノディーラー職に従事することができると規定されており、同センターが職業訓練施設の役割を担う。一般的にカジノディーラー職は学歴が重視されず、給与も全業種の平均と比較して高い水準にある。ただし、昨今のカジノ低迷により、ディーラー職スタッフの数が飽和状態にあるとも指摘されており、一部カジノ運営企業では別部門への配置転換を促す研修を実施する動きなども見受けられる。

なお、同センターはディーラー養成学校のイメージが強いが、スロットマシン、語学、ITに関する各種短期課程のほか、カジノマネジメントを専門に学ぶ4年生の学士課程も存在する。

マカオ理工学院ゲーミングティーチング&リサーチセンターの模擬カジノ(資料)=マカオ・タイパ島—本紙撮影

マカオ理工学院ゲーミングティーチング&リサーチセンターの模擬カジノ(資料)=マカオ・タイパ島—本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  総合不動産サービス企業のJLL(仲量聯行)は9月19日、およそ4年半ぶりとなる米国の利下げを受け…
  2.  マカオ政府環境保護局(DSPA)は9月19日、同局が2017年から展開している「電子・電器設備回…
  3.  香港に隣接する広東省深セン市で9月18日朝、日本人学校に通う児童が登校中に刺されて負傷する事件が…
  4.  マカオ金融管理局(AMCM)は9月19日、政策金利にあたる基準金利を50ベーシスポイント引き下げ…
  5.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  2.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  4.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  5.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年9月号
(vol.135)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun