不振続くマカオのカジノ売上、新IR開幕効果で16年通期は微増に=金融大手CLSA見通し
- 2016/1/27 9:59
- カジノ・IR
マカオは面積約30平方キロ、人口約64万人の小さな街だが、海外(中国本土、香港、台湾を含む)から年間3000万人を超える旅客が訪れるアジア有数の観光都市として知られる。また、市内には大小33ものカジノ施設が建ち並び、ラスベガスを大きく上回る世界一のカジノ売上規模を誇る。
しかしながら、マカオのカジノ売上は2014年6月から2015年12月まで19ヶ月連続で前年割れ、2015年の通期でも前年から3割超の大幅なマイナスを記録するなど、大不振の真っただ中にある。今後、どのタイミングで底打ちするのかに注目が集まっている。
1月26日午後、アジア最大のカジノ見本市、G2E(グローバル・ゲーミング・エキスポ)アジア2016(5月開催)の概要発表記者会見が行われ、国際金融大手CLSAのコンシューマー・ゲーミング(カジノ)リサーチ部門のアーロン・フィッシャー総監がゲストとして登壇した。
フィッシャー氏は今後のマカオのカジノ市場の見通しについて、2016年は上半期こそ月次で前年割れが続くが、3つの大型IR(統合型リゾート)が相次ぎ開幕することをきっかけとして下半期以降にプラスに転じるとし、通期では前年比1%増の約290億米ドル(日本円換算:約3.4兆円)、さらに2017年は同12%増の330億米ドル(約3.9兆円)まで回復するだろうと述べた。なお、VIPルームの売上は大きく変わらず、マスゲーミング(平場)の売上拡大が伸長に寄与するものとした。
マカオを取り巻くアジアの競合カジノ地域として、日本についての言及もあった。北アジアとのアクセスが良く、大きな中産階級層人口を抱えることから、400億米ドル(日本円換算:約4.7兆円)規模のポテンシャルを持つ世界最大のカジノ未開拓市場のひとつであるとした上、最初のIR施設の開幕が実現するの時期は早くとも2023年との見通しを示した。同氏は2年間の東京勤務経験を持つという。