香港訪問日本人旅客3割減―11月

香港特別行政区政府観光局は24日、2012年11月の入境旅客数統計を発表。日本から香港への旅客数はのべ84,165人で、前年同月比29.7%の大幅減。今年1~11月の合計はのべ1,159,496人となり、前年を0.5%上回る結果に。

日本から香港への旅客数は東日本大震災後の自粛ムードで一時的に落ち込んだものの、以後継続して復調の兆しを見せていた。しかし、今夏以降の香港の活動家による尖閣諸島(中国側呼称:釣魚台)への上陸や、その後の日本政府による尖閣諸島国有化を受け、中国本土で大規模な反日デモが発生。それらが日本で大きく報道されたことによる心理的影響から、9月後半以降に急激な落ち込みが続いている。

日本では香港を経由してマカオを訪れる旅客も多いことから、マカオへの旅客減にもつながるとみられる。旅行業関係者によると、日本から香港への旅客の回復は来年(2013年)の春休み以降になるのではとの見方だ。

香港はこれまでも度々反日デモなどの行為が発生することで知られるが、実際には中国本土との様々な摩擦に対するデモの頻度が多く、規模も大きいとされる。香港では華やかな繁栄の裏で格差が広がっている現状もあり、市民の不満がくすぶっている。香港はもともと親日的な土地柄で、日本製の商品、食品を愛用する市民も多い。この冬季についても、多くのテレビ番組や雑誌で日本への旅行特集が組まれるなど、香港における日本プロモーションは早くも従来通りに戻っているようだ。

なお、11月に香港を訪れた旅客数について、全体では18.7%増となる4,216,937人。中でも中国本土からの旅客が3,040360人で29.7%増となり、全体に占める割合は72.1%にも達している。全体に占める日本人旅客の割合は11月単月で2.0%、1~11月合計で2.6%。

九龍・尖沙咀から香港島を望む(写真はイメージ)―本紙撮影

九龍・尖沙咀から香港島を望む(写真はイメージ)―本紙撮影

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