大航海時代以来、東洋と西洋を結ぶ貿易港として栄えたマカオ。東西文化が見事に融合したエキゾチックな町並みが残るマカオ半島中心部の旧市街(歴史市街地区)にはユネスコ世界文化遺産リストに登録された建築物と広場が30ヵ所も存在する。
このうち、マカオ半島の南西部にある媽閣廟の正覚禅林と呼ばれる堂内で2月10日未明に火災が発生。午前5時半に通報を受けた消防隊が現場に到着し、10分後に消し止められたが、堂内の広い範囲が燃え、激しい損傷が確認されたという。負傷者はいなかった。消防は初期調査結果として、照明器具の故障が出火原因との見方を示した。
消火後の現場を訪れたマカオ政府社会文化庁のアレクシス・タム長官は、非常に悲しい出来事だとした上、損傷の程度が非常に厳重であり、修復には1年程度を要するとコメント。なお、修復にかかる費用は現時点では未知数とした。
媽閣廟の正覚禅林についてはしばらくの間、一般公開を中止するという。
マカオの世界遺産をめぐっては、今年(2016年)1月25日に旧城壁の一部が何者かによって黄色い塗料で着色される事件が発生。また、2月5日には盧家屋敷が隣接する建物の壁面が崩落によって破損するなど、受難が続いている。