マカオ特区政府統計調査局は28日、今年11月のマカオ入境旅客数統計を発表した。11月の単月入境旅客数はのべ2,374,110人となり、前年同月比 1.8%の減少。うち、日帰り旅客が1,214,337人と全体の51.1%を占めた。旅客の平均滞在時間は1.0日で、0.1日増加。宿泊を伴う 旅客の滞在時間は1.8日、日帰り旅客は同0.2日。
旅客の出発地別では、中国大陸からの旅客が1,503,158人で全体の63.3%を占め、前年同月比2.9%増。省別の内訳では、広東省654,625人、褔建省68,307人が主。また、中国大陸からパックツアーではなく個人旅行形式での旅客が 632,640人となり,12.8%増加している。中国大陸に次いで旅客が多かったのは香港の529,911人と中国台湾の79,884人。それぞれ10.0%、11.0%の減。これらの大中華圏に次ぐのが、韓国の34,686人で14.2%の増となった。なお、日本からの旅客は38.5%の大幅減の24,419人という結果。同月の香港訪問日本人旅客も29.7%減と比較して大きな下げ幅。
今年1~11月の入境旅客総数はのべ25,586,441人となり、前年比0.5%の微増にとどまる。内訳は中国大陸15,407,183人、韓国400,623人、日本369,048人で、それぞれ5.0%、11.2%、3.8%の増。逆に、香港6,469,327人、中国台湾983,238人と、こちらはそれぞれ 6.6%、12.9%の減少。
日本からマカオへの旅客数は東日本大震災後の自粛ムードで一時的に落ち込んだものの、以後継続して復調の兆しを見せていた。しかし、今夏以降の香港の活動家による尖閣諸島(中国側呼称:釣魚台)への上陸や、その後の日本政府による尖閣諸島国有化を受け、中国本土で大規模な反日デモが発生。それらが日本で大きく報道されたことによる心理的影響に加え、マカオ航空の成田直行便の減便などもあり、9月後半以降に急激な落ち込みが続いているとみられる。1~11月の合計旅客数では辛うじて前年を上回ったものの、通年ベースで前年並みをキープできるかは微妙な状況。なお、韓国からの旅客は好調な伸びを示し、1-11月合計で日本を上回り、通年で日本を追い抜くことが確実な見通し。