マカオの1月ホテル客室稼働率76.5%=供給増で3.2ポイント下落も宿泊客数は増加
- 2016/2/29 17:39
- 産業・経済
マカオは人口64万人、面積30平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリなどの国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られる。
昨年(2015年)通期の訪マカオ外客数は延べ3071万4628人となり、前年から2.5%減だったものの3000万人の大台を2年連続突破した。今年1月の訪マカオ旅客数は前年の同じ月から0.8%減の延べ244.5万人だったが、宿泊を伴う旅客については5.3%増の114.6万人となった。
マカオ政府統計調査局が2月29日に公表した最新統計によれば、今年1月の平均ホテル客室稼働率は前年同月から3.2ポイント下落となる76.5%だった。旅客数が前年並み、宿泊を伴う旅客が増えた中での客室稼働率下落の要因として、昨今の相次ぐ新ホテル開業により供給客室数が2ケタ増となったことが挙げられる。
ホテル等級別の客室稼働率は、5つ星が前年同月から3.5ポイント下落の77.4%、4つ星が1.2ポイント上昇の78.9%、3つ星が5.5ポイント下落の74.3%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が11.5%、4つ星ホテルが38.7%のそれぞれ増、3つ星ホテルは供給客室数に変動なしだった点も考慮する必要がある。
今年1月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同月から9軒増の106軒、客室数は同16.0%増の3.21万室あり、このうち5つ星ホテルが5軒増の32軒で、客室数は全体の63.6%を占める2.04万室。
今年1月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月比11.9%増の延べ89.5万人。内訳は中国本土旅客が8.3%増の58.0万人、香港旅客が41.2%増の10.8万人だった。日本旅客は35.2%の大幅増の1.7万人で、約7割が5つ星ホテルへの宿泊だった。
客室供給数が増える中、客室数の多い大型IR(統合型リゾート)併設ホテルを中心に各社が値下げプロモーションによる積極的な集客を打ち出したことで、一定の需要喚起の効果があったものとみられる。
マカオではホテル建設ラッシュが続いており、近い将来、供給数は5万室規模に達する見込み。
![昨年(2015年)5月に開業したJWマリオットホテルマカオ。窓からは建設中の大型IR(統合型リゾート)を複数望むことができる(資料)—本紙撮影](https://www.macaushimbun.com/wp-content/uploads/2016/01/DSC02977_2.jpg)
昨年(2015年)5月に開業したJWマリオットホテルマカオ。窓からは建設中の大型IR(統合型リゾート)を複数望むことができる(資料)—本紙撮影