マカオ当局、悪質タクシー対策で新規制導入へ=免許取消等罰則強化盛り込む

マカオでは一部タクシードライバーによる乗車拒否やぼったくりが社会問題化しているが、現行レギュレーションではドライバーの違反行為に対する罰則が緩いことから、マカオ警察と交通事務局が取り締まり強化を実施するも、期待される効果が得られていないのが現状だ。

目下、交通事務局が新レギュレーションの制定に向けた準備を進めている。交通事務局の鄭岳威副局長は4月1日午前、政府系放送局TDMラジオの時事番組に出演した際、新レギュレーションに盛り込む罰則の内容について説明を行った。

今回、最も大きな特徴となるのが、違反ドライバーに対する罰則の強化だ。具体的には、12カ月以内に違反が4回累積した場合、タクシードライバー免許を取消とし、再び復帰するためには再度試験を科す。また、個人オーナーのタクシーの場合、複数のドライバーが交代で同じ車両に乗務するが、同じ車両で12カ月以内に違反が8回累積した場合、この車両を7日間営業停止、2回目の8回累積で1カ月、3回目の8回累積では3カ月となる。タクシー会社については、所属するタクシー総数の3割が営業停止となった場合、全タクシーを7日間、2回目で1カ月、3回目では最高3カ月となる。

交通事務局では、罰則強化により悪質タクシーに対する一定の威嚇作用が期待されるが、導入にあたってはタクシー業界からの意見ヒアリングも考慮する必要があるとした。

なお、タクシー車内への録音装置の設置については、プライバシーの問題があるため、当局としては強制しない方針とのこと。

マカオの人口は約64万人、年間訪マカオ外客数は約3000万人であるのに対し、タクシー総数はおよそ1080台にとどまっており、需要に追いついていないとも指摘されている。

マカオ治安警察局による違反タクシーに対する取り締まりの様子(資料)=2015年2月(写真:GCS)

マカオ治安警察局による違反タクシーに対する取り締まりの様子(資料)=2015年2月(写真:GCS)

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