マカオは人口約64万人、面積約30平方キロ(山手線の内側の約半分と同じ)という小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリなどの国際イベントも数多く開催され、年間3千万人以上の旅客を吸引するアジア有数の観光都市として知られる。
とはいえ、マカオといえばギャンブルの街というイメージは強い。実際、30以上のカジノ施設が軒を連ね、カジノ売上規模は米国ラスベガスを遥かに上回る世界一を誇る。カジノだけでなく、競馬、ドッグレース、スポーツベッティング、ロトといった各種ギャンブルも存在する。マカオを訪れる旅客のうち、一体どのくらいの人たちがギャンブルに興じているのか気になるところだ。
マカオの公立観光専門学校IFTがこのほど公表した昨年(2015年)第4四半期の訪マカオ旅客調査によると、マカオ滞在中にギャンブルをすると回答した人の割合は全体のおよそ26%にすぎなかった。また、ギャンブルをしたと回答した人が投じた賭け金については、52%が1000パタカ(日本円換算:約1万4000円)以下だった。
マカオ訪問の主目的について、全体の82%がレジャー・バケーションと回答。このうち、最も魅力的な要素は何かという問いに対する最多回答を出身地別にみると、中国本土旅客の41%がショッピング、香港旅客の50%がグルメ探訪、台湾旅客の31%、その他アジア各国・地域の旅客の30%、欧米旅客の43%が世界遺産訪問だった。
なお、調査サンプル数は1042人の旅客で、出身地別内訳は中国本土が62%、香港が18%、台湾が10%で、その他各国・地域が10%とのこと。
昨今、マカオでは官民一体となってカジノ依存からの脱却を図り、ツーリズム・レジャーを核とした幅広い層が楽しめる滞在型リゾートデスティネーションを目指す動きを活発化させている。