日本政府観光局(JNTO)香港事務所がこのほど発出したプレスリリースによれば、香港でトップシェアを誇る人気旅行ガイド本シリーズ『終極天書』を出版する長空出版有限公司が香港で唯一となる東北地方を取り上げたタイトルを5年4か月ぶりに改訂発刊したという。
香港からの訪日者数は昨年152万4292人(※JNTOによる暫定値)と対前年比で164.6%と大幅増を記録した一方で、東北への訪問は震災前のレベルを回復していないのが現状だ。観光庁の宿泊旅行統計調査では、2010年の香港人の東北での宿泊が6万5290人泊であったのに対し、2015年は1万9530人泊とおよそ3分の1にまで落ち込んでいることが明らかになった。
『終極天書』シリーズの東北版は初版が2008年に発刊されたが、2010年12月(2011〜12年版)を最後に更新がストップしていた。JNTO、東北観光推進機構、東北各県等の働きかけにより、今回の改訂に結びつき、2016年1月に11日間にわたる同社記者による東北各地の取材を経て、5年4ヶ月ぶりに改訂版(2016〜17年版)の出版が実現したもの。
同社のガイドブックでは世界30地域以上のタイトルが発行されており、この内、日本は北海道、東北、東京、東京近郊、中部、関西、山陰山陽、四国、九州、沖縄の10タイトル。同社によれば、これら日本版の合計発行部数は84万部で、香港で発行されている日本ガイドブックの中では最も発行部数の多い媒体とのこと。
JNTOでは、今回の改訂版発刊に合わせ、4月16、17日に香港の書店2店舗で現地取材を担当した長空出版の記者によるトークショーや観光名所、物産をPRする消費者向けの東北観光セミナーを開催した。
最新の宿泊旅行統計調査データでは、今年1月の香港人の東北での宿泊は、前年同月比で41.1%増と上向いてきているといい、JNTOでは今回の改訂版発行を起爆剤として、東北への誘客を進めていきたい考え。