マカオ、タクシー運転手を密航ほう助と高利貸し容疑で逮捕…停職中の警察官だった

マカオ税関(澳門海關)は4月25日、同月21日午前2時30分頃、マカオ・コロアン島南部の龍爪角でタクシーを利用した密航事案があり、タクシー運転手の男と密航者の女の計2名を逮捕したと発表。

税関の発表によれば、沿岸警備中だった税関職員が現場付近で疑わしい3人グループが1台のタクシーに乗り込もうとしたのを発見し、職務質問を行ったところ、女子1名が身分証明書を提示できず、男子2人が隙をついて逃走。即座に警察と連携して警戒網を敷き捜索を行うも、男2人の身柄確保には至らず、現在も行方を追っているとのこと。

その後の調査で、逮捕された女は船に乗ってマカオへ密航したことを認め、タクシー運転手の男は停職中の警察官であることが判明。男は休憩中に3人が突然乗り込んできたと供述したが、他人名義の身分証明書及びキャッシュカードなどを所持していたという。さらに、男の自宅を捜索したところ、大量の銀行の引き出しレシート、借用書、データの記録された紙、総額およそ80万香港ドル(日本円換算:約1145万円)分のカジノチップ200個が入った袋が見つかった。

税関では、男が密航ほう助及び賭博のための高利貸しと文書収受の犯罪に関わった疑いが非常に強いと判断し、法律に基づき男の身柄を司法機関へ移送。男は裁判所の審理を経て監獄に勾留された。密航者の女については、治安警察局に身柄が引き渡されたとのこと。

マカオは1999年にポルトガルから中国に返還されたが、以降も独自の出入境管理を行っている。中国本土籍の旅客がマカオを訪れる際、香港マカオ往来通行証と呼ばれる渡航証とビザに相当する渡航許可を取得するのが一般的だが、およそ2〜3ヶ月に1回7日間といったかたちで一定期間内の入境回数や滞在日数などに制限が設けられていることなどから、違法な就労や賭博、観光などを目的とした密航やオーバーステイが後を絶たない。不法行為を手引きする蛇頭も暗躍し、超過滞在者の隠れ家となる違法宿泊施設の存在なども社会問題化している。

密航事案に利用されたタクシー(写真:澳門海關)

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