マカオ、カジノ低迷長期化も失業率1%台を維持=1〜3月期雇用統計

マカオ政府統計調査局が4月27日に発表した最新の雇用統計によると、今年(2016年)1月〜3月期の総体失業率は1.9%、不完全雇用率は0.5%で、いずれも前回調査(2015年12月〜2016年2月期)と同水準だった。

マカオの失業率は2015年2〜4月期まで史上最良水準の1.7%を16期連続で維持した後、3〜5月期から5〜6月期まで3期連続で1.8%、6〜8月期以降は1.9%に後退している。

今年1〜3月期の労働人口は39.66万人、労働参加率は72.3%。このうち、就業人口は38.90万人で、前回調査時から1400人減少した。業界別で就業人数の減少が目立ったのはホテル業とカジノ・カジノ仲介業で、前者が3.2%減の8.06万人、後者が2.7%減の3.02万人だった。

失業人口は前回調査時から300人増の7700人。このうち、初めて職探しをする新増労働力の占める割合は0.6ポイント下落の6.3%。

なお、直前四半期(2015年10〜12月)との比較では、総体失業率こそ同水準だったものの、マカオ居民(マカオ居留権保有者)に限ると0.1ポイント上昇の2.7%だった。就業人数は4100人の減少で、このうち、55〜64歳が1200人を占めた。業界別の就業者数で増減が目立ったのは、建設業が2900人減の4.82万人、飲食業が1500人増の2.77万人。

今年1〜3月期の就業者全体の月給中位数は1万5000パタカ(日本円換算:約20.9万円)。このうち、マカオ居民に限ると1万8000パタカ(約25.1万円)、ゲーミング(カジノ)業従事者は1万9500パタカ(約27.2万円)、建設業従事者が1万5000パタカで、いずれも直前四半期と同水準だった。

マカオの月次カジノ売上が2014年6月から2016年3月まで22ヶ月連続前年割れとなっており、基幹産業の不振に伴う経済低迷が長引いている。しかしながら、大型IR(統合型リゾート)及び新ホテルのオープンラッシュが続いていることから、現在まで失業率に大きなマイナスは見受けられない。

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

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