マカオ政府がカジノ従業員の賭博禁止化を計画=カジノ入場制限に関する法律見直しの一環
- 2016/5/6 19:02
- カジノ・IR
21世紀に入って以降、マカオでは大型IR(統合型リゾート)の開幕が相次いでおり、現在では面積約30平方キロという小さな街に大小合わせて36軒のカジノ施設が建ち並ぶ。昨年(2015年)の年間カジノ売上は約3兆円で、米国ラスベガスを大きく上回る世界一の座にある。
マカオの政府系放送局TDMが5月6日午後のラジオニュースで報じた内容によると、同日午前、マカオ理工大学で開催されたゲーミング(カジノ)法律制度改革セミナーにマカオ政府のカジノ監理当局にあたる博彩監察協調局(DICJ)のミゲル・ルイス・カスチーリョ顧問が登壇した際、今年、同局としてカジノ入場制限に関する法律を見直す計画を進めていることを明かしたという。マカオのカジノ運営会社の従業員に対して、マカオのカジノ施設での賭博を禁止する内容を含むものとのこと。
マカオでカジノ経営ライセンスを保有する企業は6社あり、内規により従業員の自社グループ施設での賭博を禁じている場合がほとんどだが、他陣営のカジノ施設における賭博ついては特に規定が存在しないというのが現状だ。
なお、マカオの法律では、下記に該当する場合にマカオのカジノのゲーミングフロアへの入場そのものが禁止されている。
・21歳未満
・マカオの公務員(旧正月の特定日及び査察官など公務執行上必要な場合を除く)
・自己または家族など第三者による隔離申請の対象者
・カジノ関連犯罪に関わったなどの理由により入場禁止措置の対象となった者
マカオの人口は約64万人で、このうちゲーミング業(カジノ及び競馬、ドッグレース等のギャンブル運営企業)従事者は約5万6千人、公務員は約3万5千人に上る。
マカオのカジノ利用客は中国本土を中心とした域外からの旅客が大半を占めることから、仮にマカオのカジノ従業員の賭博が禁止になった場合でも、カジノ売上に及ぼす影響は極めて軽微と予想される。