マカオの財政黒字6割超ダウン、カジノ税収落ち込みで=2015年度

このほどマカオ政府財政局が公表した昨年度(2015年1〜12月)の財政収支表によれば、歳入は前年度から28.3%減の1161.1億パタカ(日本円換算:約1兆5426億円)、歳出は同20.4%増の807.5億パタカ(約1兆728億円)となり、財政黒字は62.7%減の353.5億パタカ(約4697億円)にとどまった。

昨今のカジノ売上の低迷長期化を受け、歳入の大半を占めるカジノ税収が前年から3割超の落ち込みとなったことが響いた。

カジノ税収の計算根拠となるのがカジノ売上で、税率はおよそ40%だ。マカオの月次カジノ売上は昨年6月から今年5月まで24ヶ月連続で前年割れ、昨年の年間カジノ売上は前年から34.3%の大幅減となる2308.4億パタカ(約3兆669億円)で、2年連続で前年割れとなり、金額は2011年実績をやや下回る水準にまで逆戻りした。カジノ売上減の理由として、中国本土富裕層を中心としたハイローラーと呼ばれるVIPカジノ客の流出が指摘されている。

なお、今年3月末時点のマカオ特別行政区の財政準備資産高は4360.1億パタカ(約5兆7928億円)、外貨準備高は1525億パタカ(約2兆255億円)で、財政準備資産との合計は5885.1億パタカ(約7兆8165億円)に上り、2016年度の歳出の6.6倍に相当する「貯金」を持っていることになる。

カジノのイメージ(資料写真)—本紙撮影

カジノのイメージ(資料写真)—本紙撮影

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