低迷続くマカオのカジノ売上、新IRの相次ぐ開業で今夏にも回復へ=金融大手見通し

世界最大のカジノ都市として知られるマカオだが、月次カジノ売上が今年(2016年)6月まで25か月連続で前年割れとなるなど、低迷が長期化している。

米シティグループがこのほど発表した最新レポートによれば、今年第3四半期(7〜9月期)がターニングポイントになるとしており、各月の月次カジノ売上について、7月は前年同期比1%減の185億パタカ(日本円換算:約2327億円)、8月は同2%増の190億パタカ(約2390億円)、9月は同5%増の190億パタカを見込んでいるとのこと。

その理由として、コタイ地区における大型カジノIR(統合型リゾート)の相次ぐ開業を挙げている。8月22日には米ウィンリゾーツ系のウィンパレス、9月中旬には米ラスベガスサンズ系のパリジャンマカオが開業予定となっている。

なお、昨年も5月にギャラクシーマカオ第2期拡張部及びブロードウェイマカオ、10月にスタジオ・シティのオープンがあったが、月次カジノ売上が前年を上回ることはなかった。ウィンパレスとパリジャンマカオは昨年オープンしたものより規模が大きいことから、カジノ売上の底上げ効果が大きいとみられる。

マカオ政府の今年度財政予算案では、年間カジノ売上を2000億パタカ(約2兆5159億円)と設定しており、上半期終了時点での予算達成率は53.9%に達している。

ちなみに、カジノ売上の低迷が続く中にあって、訪マカオ旅客数は2014年に初めて年間3000万人を突破。2015年も大台を維持し、今年上半期も堅調に推移している。

今年(2016年)9月中旬オープン予定の「パリジャンマカオ」俯瞰(資料)=マカオ・コタイ地区、2016年5月-本紙撮影

今年(2016年)9月中旬オープン予定の「パリジャンマカオ」俯瞰(資料)=マカオ・コタイ地区、2016年5月-本紙撮影

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