マカオ、悪質タクシーの暗躍続く=1〜7月累計検挙数2454件、ぼったくりと乗車拒否が全体の7割超

近年、マカオでは一部の悪質なタクシードライバーによるぼったくりや乗車拒否が大きな社会問題となっている。消費者利益及び観光都市としてのイメージを著しく毀損する行為として警察と交通当局がパトロールを強化して臨んでいるものの、依然暗躍が続いている状況だ。

マカオ治安警察局は8月1日、今年(2016年)1〜7月の違反タクシー及び白タクに関する取り締まり状況を公表した。

1〜7月累計の違反タクシーの検挙総数は2454件で、このうちぼったくりが880件、乗車拒否が883件で全体の約71%を占めた。このほか、タクシー乗り場で行列の先頭から順に客を乗せない行為も全体の約5%にあたる115件あった。

マカオは面積約30平方キロメートルの小さな街だが、人口約64万人、年間訪マカオ外客数は約3000万人であるのに対し、タクシー総数はおよそ1080台にとどまっており、需要に追いついていないとの見方もある。マカオ政府は年内にも供給数を1500台にまで増やす方針。

現行法ではぼったくりや乗車拒否といった違反についてのドライバーへのペナルティが1000パタカ(日本円換算:約1万3000円)の罰金のみという極めて甘い内容であることも指摘されており、罰則強化を盛り込んだ法改正の準備も進められている。

また、1〜7月累計のいわゆる白タクの検挙総数は413件で、このうちスマートフォン向けアプリを使った配車サービスに関するものが286件あったという。

世界各地でスマートフォン向け配車サービスを展開する「Uber(ウーバー)」が昨年10月にマカオ進出を果たしたが、警察及び交通事務局は同サービスについて白タクにあたるとの見解を示し、取り締まりの対象とする方針を打ち出している。

マカオ治安警察局による違反タクシーに対する取り締まりの様子(資料)=2015年2月(写真:GCS)

マカオ治安警察局による違反タクシーに対する取り締まりの様子(資料)=2015年2月(写真:GCS)

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