マカオの7月ホテル客室稼働率86.8%に上昇=14年11月以来の単月最高記録、供給増を消化
- 2016/8/31 10:31
- 産業・経済
マカオは人口65万人、面積30平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリなどの国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られる。
昨年(2015年)通期の訪マカオ外客数は延べ(以下同)3071万4628人となり、前年から2.5%減だったものの3000万人の大台を2年連続突破した。今年7月の訪マカオ旅客数は前年同月から5.5%増の279.5万人、宿泊を伴う旅客についても12.4%増の145.6万人に上り、日帰り旅客を上回った。
マカオ政府統計調査局が8月30日に公表した最新統計によれば、今年7月の平均ホテル客室稼働率は86.8%で、前年同月から4.0ポイント、前月から4.8ポイントのそれぞれ上昇となり、2014年11月以来の単月最高を記録した。
今年7月のホテル等級別の客室稼働率は、5つ星が前年同月から2.6ポイント上昇の87.4%、4つ星が8.8ポイント上昇の90.6%、3つ星が1.6ポイント下落の79.3%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が1.6%、4つ星ホテルが28.4%のそれぞれ増、3つ星ホテルは供給客室数に変動なしだった点も考慮する必要がある。
今年7月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同月から2軒増の104軒、供給客室数は同6.3%増の3.16万室あり、このうち5つ星ホテルが1軒増の31軒で、供給客室数は全体の63.3%を占める2.00万室。
今年7月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月比12.3%増の104.2万人。内訳は中国本土旅客が9.6%増の64.7万人、香港旅客が22.2増の18.3万人、台湾旅客が24.1%増の4.4万人、韓国旅客が49.1%増の2.5万人、日本旅客が19.1%増の1.3万人だった。ホテル宿泊客の平均滞在時間は前年同月と変わらずの1.4日。
今年1〜7月の累計ホテル宿泊客数は前年同期比12.7%増の648.4万人、平均ホテル客室稼働率は0.5ポイント上昇の79.8%、ホテル宿泊客の平均滞在滞在時間は0.1日マイナスの1.4日。
昨今、マカオでは宿泊を伴う旅客が増加する一方、相次ぐ新ホテル開業による供給客室数の急増により今年5月まで15ヶ月連続で客室稼働率が下落していたが、需給バランスが落ち着いたようだ。客室数の多い大型IR併設ホテルを中心に各社が値下げプロモーションによる積極的な集客を打ち出したことで、一定の需要喚起の効果があったためとみられる。
マカオではホテル建設ラッシュが続いており、近い将来、供給数は5万室超に達する見込み。