世界遺産の受難相次ぐマカオ…着色被害の「旧城跡」修復に着手へ

大航海時代以来、東洋と西洋を結ぶ貿易港として栄えたマカオ。東西文化が見事に融合したエキゾチックな町並みが残るマカオ半島中心部の旧市街(歴史市街地区)にはユネスコ世界文化遺産リストに登録された建築物と広場が30ヵ所も存在する。

マカオの世界遺産をめぐっては、今年(2016年)に入って以降、受難が続いている。1月25日に旧城壁の一部が何者かによって黄色い塗料で着色されたほか、2月5日に盧家屋敷が隣接する建物の壁面が崩落した影響で一部破損、2月10日に媽閣廟の正殿にあたる正覚禅林が電気系統のショートによる火災で重大な損傷を受け、5月29日には聖オーガスチン教会で風雨の影響により天井の一部が崩落する事故が発生している。

このうち、媽閣廟正覚禅林、聖オーガスチン教会では現在も修復作業が進められており、一般公開中止が続いている。

マカオの世界遺産を管轄するマカオ政府文化局は9月27日、今年1月に着色被害を受けた旧城壁について、月内にも修復に着手する見通しであることを明らかにした。事件から9カ月を経ての作業開始となる理由については、調査及び実験などの準備を行っていたためという。

旧城壁はかつてマカオを統治していたポルトガルが都市防御を目的に1569年頃から各所に築いたものとされ、一部が現存している。

マカオの世界遺産・旧城壁(マカオ政府文化局提供写真に本紙で説明を追記)

マカオの世界遺産・旧城壁(マカオ政府文化局提供写真に本紙で説明を追記)

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