マカオ、新禁煙法違反6千件超…今年1〜11月累計=当局が愛煙家に法律遵守呼びかけ

世界的な健康意識の高まりを受け、マカオでは屋内公共エリア及び公園などの大半を禁煙とする「新禁煙法」が2012年元旦から施行された。違反者には最高600パタカ(日本円換算:約8700円)の罰金が科せられ、マカオ政府衛生局(SSM)の法執行官(禁煙Gメン)が昼夜を問わず巡回取り締まりを行っている。

SSMが12月13日に発出したプレスリリースによれば、新禁煙法が施行された2012年元旦から今年(2016年)11月末日までの禁煙Gメンによる巡回場所は延べ126万6061箇所(1日平均延べ705箇所)、違反件数は延べ3万7305件に達したといい、愛煙家に対してあらためて法律を遵守するよう呼びかけた。

今年元旦から11月末日の期間に限ると、禁煙Gメンによる巡回場所は延べ20万537箇所(1日平均のべ867箇所)、累計違反件数は6160件だった。違反の内訳は、禁煙ゾーンでの違法喫煙行為が6154件、基準を満たさないパッケージの商品が6件。

違法喫煙行為の違反者のうち、男性が全体の92.6%を占める5699人、女性が7.4%の455人、マカオ市民が61.5%の3787人、海外(中国本土・香港・台湾含む)からの旅客が34.3%の2110人、海外労働者が4.2%の257人だった。

なお、罰金の納付率は82.4%にとどまった。海外からの旅客が罰金を納付せずにマカオから出境した場合、次回のマカオ入境にあたって影響が及ぶとし、必ず期限内に納付するよう呼びかけている。

マカオのカジノ施設は、2014年10月6日からハイローラーと呼ばれる大口ギャンブラーを対象としたVIPルームが分煙、平場にあたるマスゲーミングフロアが全面禁煙となった。マスゲーミングフロアには喫煙ルームが設置されている。

カジノ内については、SSMとカジノ監理当局にあたるDICJが合同で取り締まりを行っている。今年元旦から11月末日までの2部局による合同巡回場所は延べ455箇所、違法喫煙行為は585件あった。違反者は男性が全体の93.0%を占める544人、女性が7.0%の41人、海外からの旅客が78.8%の461人、マカオ市民が20.7%の121人、海外労働者が0.5%の3人だった。

マカオ政府はVIPルームの禁煙化及びマスゲーミングフロアの喫煙ルームの廃止を含むカジノフロアの全面禁煙化を目標に掲げている。このほか、増税によるたばこ製品の値上げや免税持ち込み範囲の縮小などの施策も相次いで講じられ、愛煙家を取り巻く環境は厳しさを増している。

巡回を行うマカオ政府衛生局の禁煙Gメンたち(写真:SSM)

巡回を行うマカオ政府衛生局の禁煙Gメンたち(写真:SSM)

関連記事

最近の記事

  1.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営する澳門輕…
  3.  マカオ政府統計調査局は11月20日、今年(2024年)1〜9月の小売業販売額調査結果を公表。 …
  4.  マカオ政府統計・センサス局は11月20日、今年第3四半期(2024年7〜9月)の金融業人材需給及…
  5.  マカオ政府公共建設局(DSOP)の発表によれば、コタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  4.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  5.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年11月号
(vol.137)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun