マカオ、カジノ高利貸しに監禁された債権者が自殺…約75万円返せず=無認可宿泊施設が舞台

マカオ司法警察局は12月24日、カジノ高利貸しグループのメンバーで、中国本土出身の無職の男(28)を債権者を監禁して自殺に追い込んだ罪などで逮捕、送検したことを明らかにした。

警察が被疑者の供述などをもとに発表した事件の概要によれば、同月17日午後10時頃、被疑者が債権者の所属する高利貸しグループから5万香港ドル(日本円換算:約75万円)を借りた男性が返済不能に陥ったため、被疑者と別のメンバー1人がマカオ半島新口岸地区馬六甲街のビル内にある無認可宿泊施設に連れ込み、監禁。翌午前7時頃、債権者の男性がバスルームの中で首吊り自殺を図ったとのこと。この際、現場にいた違法宿泊施設の経営者と親族が違法営業の発覚を恐れ、債権者の遺体を共用部分のエレベーターホールに搬出した上、高利貸しグループから看守役として雇われていたという被疑者らに対して警察へ通報した後、中国本土へ逃げるよう指示を出したという。

警察が債権者の遺体を司法解剖したところ、死因が窒息死であることが判明。その後の捜査で高利貸しグループの存在が浮上、22日午後8時に被疑者が再度マカオへ戻ったところを逮捕した。

警察では、逃亡中の高利貸しグループの首脳及び他のメンバー、無認可宿泊施設の経営者らの行方を追うとともに、死亡した債権者の身元確認を行っているとした。

事件現場周辺は中小規模のカジノ施設やホテル、オフィスビルなどが建ち並ぶ繁華街。

近年、マカオの治安は総じて安定しているといえるが、カジノ高利貸しと債権者の監禁に関連する犯罪については増加している。

マカオ司法警察局(資料)—本紙撮影

マカオ司法警察局(資料)—本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ司法警察局は11月22日、違法薬物密売及び使用の疑いで香港人の女(37)を逮捕したと発表。…
  2.  マカオ・コタイ地区にある複合リゾート「リスボエタマカオ(澳門葡京人)」併設のショッピングアーケー…
  3.  在香港日本国総領事館は11月22日、同月14日に澳門日本会に対する在外公館長表彰授与式が執り行わ…
  4.  マカオ市政署(IAM)は11月21日、マカオ半島のギアの丘(松山)に位置する史跡「松山軍用隧道(…
  5.  マカオ政府衛生局(SSM)は11月22日夜、同日マカオ域内で輸入性デング熱感染を新たに1例確認し…

ピックアップ記事

  1.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  2.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  4.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun