マカオ政府がカジノ全面禁煙化方針転換、喫煙ルーム設置容認へ=高規格など条件に
- 2017/2/16 10:18
- カジノ・IR
世界的な健康意識の高まりを受け、マカオでも屋内公共エリアの禁煙化が進んでいる。マカオのカジノ施設についても、ハイローラーと呼ばれる大口ギャンブラーを対象としたVIPルームが分煙だが、平場にあたるマスゲーミングフロアが喫煙ルームを設置した上で禁煙となっている。
マカオ政府は、カジノ従業員及び訪問客の受動喫煙を防止するため、VIPルームの禁煙化及びマスゲーミングフロアの喫煙ルームの廃止を含むカジノフロアの全面禁煙化を目標に掲げてきたが、カジノ運営企業だけではなく一般市民の間からも、カジノ売上の減少や、それに伴う雇用へのマイナス影響を懸念する声も出ていた。
政府のカジノ全面禁煙化方針に対し、マカオのカジノ経営ライセンス保有する6陣営が合同で対応にあたってきた。6陣営連合は2月14日、第三者機関に委託した従業員への意識調査結果(55%が喫煙ルームの設置に賛成)及び喫煙ルームの高規格化案をまとめ、政府に提案。翌15日午前、政府衛生局が記者会見を開き、6社からの提案の内容について、コンセンサスが取れていることを示し、高規格喫煙ルームが実現及び実施可能性のあるものだとの評価し、全面禁煙化を盛り込んだ法律の修正案を立法会に提出する考えを明らかにした。ただし、VIPルームの禁煙化は実施することは変わらず、喫煙ルームは煙の排出基準など厳格な規格をクリアするものでなければならい、許認可制とするなどの条件を設定するとした。
なお、マカオのカジノ税率はカジノ売上の約40%に設定されており、政府の歳入に占めるカジノ税の割合は8割超にも達することから、極めて重要な財源といえる。