マカオの新しい海の玄関口「タイパフェリーターミナル」が6月1日運用開始=マカオ国際空港と直結

マカオ・タイパ島北安地区で建設が進められてきたタイパフェリーターミナルで5月18日、開幕式典及び地元メディアを対象とした施設内覧会が行われた。運用開始は6月1日を予定している。

タイパフェリーターミナルは2005年に着工。当初、マカオ半島にある外港フェリーターミナルの補助的施設と位置付けられていたが、2006年に重要港へと格上げされ、2009年に拡張プランが決定した。当初の運用開始予定は2013年中の予定だったが、大幅に工事が遅延。長きにわたって簡素な仮施設(タイパ臨時フェリーターミナル)での長期運用を余儀なくされていた。タイパ臨時フェリーターミナルは、新ターミナルの運用開始に伴いクローズされ、跡地は新ターミナルの拡張部として利用される。

マカオは三方を海に囲まれた立地にあり、海路でマカオを出入りする旅客も多い。マカオ政府海事・水務局の黄穂文局長が開幕式典のスピーチで語った内容によれば、過去5年間の海路出入境者数は延べ1億2000万人に上ったという。ちなみに、マカオの人口は約65万人、年間訪マカオ旅客数は約3000万人。

【写真特集:タイパフェリーターミナル…マカオの新たな海の玄関口】

今回、記者が施設を見学しての印象は、とにかく巨大。まるで空港のようだと感じた。いくちかスペックを挙げると、敷地面積が約20万平方メートル、高速船用の停泊スポットが16(運用開始時は8)、その他種類の船舶に対応するマルチ対応の停泊スポットが3、屋上にはヘリポートが5、出入境審査場のレーン数が127など。

タイパフェリーターミナルに乗り入れるのは主に香港、広東省沿岸都市との間を結ぶ高速船で、所要時間はおよそ1時間。今回の新ターミナルには、隣接地にあるマカオ国際空港との連絡ルートを設け、乗り継ぎが可能となっているのも特徴だ。運用開始時点では専用連絡バスによる移動だが、今後の拡張工事で通路が整備されるという。マカオ国際空港のハブ機能の向上にも期待がかかる。また、2019年頃開通予定のマカオ新交通システム・タイパ線の駅も併設し、大型IR(統合型リゾート)集積エリアとして開発が進むコタイ地区まで10分程度でアクセスできるようになる。運用開始時点では、タクシー、路線バス、カジノホテルの送迎シャトルバスが主なアクセス手段となる。こぢんまりした臨時ターミナルと違い、施設の規模が大きいため、時間に余裕を持って到着したい。

今後、フェリーターミナル内のパブリックエリアには飲食店、制限エリアには免税店なども入る予定といい、運用開始当初は空きスペースが目立つが、今後少しずつ利便性が向上する見通し。

左右に搭乗ゲートが並ぶ。まるで空港のような雰囲気。電動車での移動も=2017年5月18日、本紙撮影

左右に搭乗ゲートが並ぶ。まるで空港のような雰囲気。電動車での移動も=2017年5月18日、本紙撮影

タイパフェリーターミナル開幕式典。写真中央右がフェルナンド・チュイ(崔世安)行政長官、同左がライムンド・ロザリオ運輸工務庁長官=2017年5月18日、本紙撮影

タイパフェリーターミナル開幕式典。写真中央右がフェルナンド・チュイ(崔世安)行政長官、同左がライムンド・ロザリオ運輸工務庁長官=2017年5月18日、本紙撮影

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