台風13号で被災のマカオ、急性胃腸炎患者が例年より増加…停電や断水など影響か=当局が衛生上の注意呼びかけ
- 2017/9/4 8:45
- 社会・政治
台風13号(国際名:ハト)が8月23日午前から午後にかけてマカオへ襲来。人的、物的にも甚大な被害をもたらした。市街地の広い範囲で長時間にわたって停電と断水も続いた。
マカオ政府衛生局(SSM)は9月3日にプレスリリースを発出し、被災後の伝染病リスクが完全になくなったわけではなく、市内各所で防疫作業を継続しているとした上、市民に対して個人衛生に留意するほか、環境衛生ガイドライン及び食品衛生ガイドラインを遵守するよう呼びかけた。
SSMによれば、被災後、近日マカオで感染確認が相次いでいたデング熱についての新たな感染例はなく、インフルエンザ患者も増えていないが、胃腸炎については例年より多い状態にあるとのこと。救急外来のある2つの大型総合病院(仁伯爵綜合醫院、鏡湖醫院)における1日あたりの急性胃腸炎患者数は例年が40〜105人だが、被災後の8月28日〜31日は204〜253人に上った。いずれも散発性のもので、症状は軽く、患者の年齢層は青年、壮年が中心という。
SSMでは、被災後に胃腸炎患者が増加した原因について、1)断水によって水の供給が制限されたことに伴い、頻繁に手を洗うことができなくなるなどの個人衛生条件の悪化、2)調理場所や器具の洗浄や消毒の未徹底による汚染、3)停電等によって食品及び食材を安全な温度で保管できなかった、4)浸水エリアのマンションにおいて貯水タンクの洗浄をしていないか未徹底、あるいは消防用タンクの水の使用、5)精神的疲労や緊張による免疫力低下や機能性の下痢を挙げた。目下、SSM及び食品衛生を管轄する民政総署(IACM)が正確な原因の調査を行なっているとのこと。