マカオの悪質タクシー暗躍続く…9月の違反検挙数448件=ぼったくりと乗車拒否が全体の約85%

近年、マカオでは一部の悪質なタクシードライバーによるぼったくりや乗車拒否が大きな社会問題となっている。消費者利益及び観光都市としてのイメージを著しく毀損する行為として警察と交通当局がパトロールを強化して臨んでいるものの、依然暗躍が続いている状況だ。

マカオ治安警察局は10月4日、今年(2017年)9月及び国慶節連休にあたる10月1日から3日までのタクシー及び白タクに対する取り締まり状況を公表した。

今年9月のタクシーの違反検挙総数は448件で、このうちぼったくりが237件、乗車拒否が145件あり、検挙数全体の85.3%を占めた。

今年1〜9月累計の違反総検挙数3781件で、このうちぼったくりが2165件、乗車拒否が1045件あり、検挙数全体の84.9%を占めた。

10月1日から3日までの違反検挙総数は前年の同じ時期から42.7%増の117件で、このうちぼったくりが63.0%増の75件、乗車拒否が12.0%増の28件あり、検挙数全体の88.0%を占めた。

なお、実際には泣き寝入りなどもあるとみられ、統計に表れない悪質タクシーによる被害が相当数あると予想される。

マカオは面積約30平方キロメートルの小さな街だが、人口約65万人、年間訪マカオ外客数は約3000万人であるのに対し、タクシー総数は約1600台にとどまっており、需要に追いついていないとの見方もある。

現行法ではぼったくりや乗車拒否といった違反についてのドライバーへのペナルティが1000パタカ(日本円換算:約1万4000円)の罰金のみという極めて甘い内容であることも指摘されており、罰則強化を盛り込んだ法改正の準備も進められている。マカオ交通事務局は今年2月中旬、ドライバーに対して法律の規定通りに乗務記録をつけるよう呼びかけを行い、検査を厳格化する方針を示した。

また、今年9月のいわゆる白タクの検挙総数は22件で、2ヶ月連続で減少。スマートフォン向けのアプリを使った配車サービスの検挙はゼロだった。世界各地でスマートフォン向け配車サービスを展開する「Uber(ウーバー)」が7月21日いっぱいをもってマカオでの配車サービスを停止したことが影響したとみられる。Uberは一昨年10月にマカオ進出を果たしたが、警察及び交通事務局は同サービスについて白タクにあたるとの見解を示し、取り締まりの対象とする方針を打ち出していた。

マカオ治安警察局による違反タクシーに対する取り締まりの様子(写真:マカオ治安警察局)

マカオ治安警察局による違反タクシーに対する取り締まりの様子(写真:マカオ治安警察局)

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